3月28日(木)
夫は、生来の働き者。
1日何もせず、テレビを観ているなんて生活は耐えられない。
だから、外仕事が出来ない雨や雪の日は、苦痛だと言う。
外仕事が出来ないなら、中仕事しかないわけで。
中仕事と言えば、家事。
掃除、洗濯は苦手だから、必然的に料理になる。
私にとっては、この上なく有難い。
毎日雨だといいな。
最近は、ジャガイモがたくさん残っているのが気になり、ジャガイモ料理に凝っている。
昨日は、なんとなんと、コロッケに挑戦!
コロッケは、これまで何度も作ってきた私にとっても、ハードルが高いメニュー。
実は、雨が降った一昨日作る予定だったが、どうせなら次女が食べにくる日にと言う事で、昨日になった。
午前中は、何度も何度も、繰り返しYouTubeで予習。
午後、スーパーに挽肉を買いにいく。
帰って、再びYouTubeで確認。
4時頃、いよいよ開始。
「側で見ていてくれ」
と言う。
そんな事を言ったのは、初めてです。
余程不安なのかしら。
ジャガイモを丸ごと茹でようとするので、四つくらいに切った方が早く茹るよとアドバイス。
その間に、玉葱を微塵切りにし、合い挽き肉に塩胡椒して混ぜ合わせる。
私は、炒めながら塩コショウを振るけれど、夫は、トレイの中で窮屈そうに混ぜている。
YouTubeでは、そうやっていたそうで。
茹で上がったジャガイモを、マッシャーで潰す。
フライパンにバターを溶かして、挽肉を入れる。
すぐに掻き回さず、焦げ目がついてからゆっくり混ぜ合わせた。
挽き肉を取り出し、ジャガイモの中に入れ、肉から出た脂で、微塵切りにした玉葱を炒める。
脂がなくなって、少し焦げ目が付いて、中々いい感じ。
玉葱をジャガイモの中に入れ、ヘラで十分に混ぜ合わせる。
「上手じゃない! いい感じだよ」
「これからだ、大変なのは」
そうだ、成形して、衣をつけなくては。
「ボールのように丸くして」
「小判型にするんじゃないのか」
「大丈夫、そのうち小判型になるから」
次は衣。
夫は、小麦粉をつけて、卵液をくぐらせてパン粉をつけるものと思っているけど、ちょっとハードル高いかも。
「小麦粉と卵液を一緒にすると楽だから、それでいこう。これは私が作ってあげる」
と、ボウルに卵入りの天ぷら粉を入れて水で溶いて
「これにくぐらせてパン粉を付けると楽だよ」
と、一つだけお手本を見せる。
ボウルを動かしながら、ボール型の種を転がして粉の液を付け、ヘラに乗せてパン粉を広げたバットに落とす。
コロコロ転がしながらパン粉をつけたら、おにぎりを作るように軽く握って出来上がり。
「ほら、小判型になったでしょ」
「なるほど!」
早速夫もやり始める。
ところが、液の中で手で回すので、指の跡が付いて液が剥がれるし、液で濡れた手でパン粉をつけるものだから、種より手にパン粉が付いて、しっちゃかめっちゃか。
「そうだ、左手で液をつけて、右手でパン粉を付けるようにって言ってた! 濡れた手でパン粉をいじっちゃだめだって」
で、その通りにやろうとするけど、液の中に入れた種が崩れて、かえって悲惨な状態になった。
「最初からプロの真似しても無理よ」
と、ボウルの中で転がすように言ったけど、既に最後の一個になっていた。
ま、初めてにしちゃ、上出来よ!
(ママが大分手直ししてますけど)
さて、いよいよ揚げます。
揚げ物は、必ず温度設定が出来る右側のコンロでやる事。
コロッケは、180度に設定する事。
「この2点は、絶対守ってね。温度設定をしておけば、それ以上に上がることはないから大丈夫」
「ふーん、うまく出来てるもんだな」
そう言いながら、椅子に座り、日本酒が入ったコップに口を付けた。
「適温になると、火が小さくなるから。ほら、小さくなったでしよ?はい、やって」
「俺がやるのか?」
「そりゃそうでしょ」
「よし、最後までやるか」
コップを置いて立ち上がると、種を油の中に入れようとする。
「あっ、そっと入れて!」
上から落とそうとするなんて、危ない危ない。
ちょっと爆発した物もあったけど、上出来上出来。
揚がったところにやってきた次女。
「お父さんが作ったのよ」
と言うと
「えーっ、凄いじゃん!上手に出来たね。始めてでしょう?」
と驚いていた。
(千切りキャベツも夫が切りました)
「大変だったんだぞ。半日かかった」
半日なんて、大袈裟な。
「何度かやれば、慣れるよ」
と言う次女に
「もう2度とやらない! 俺には向かない料理だ。こんなに大変だとは思わなかった。餃子の方がずっと楽だ」
と何度もこぼしていた。
良かった〜、体験してもらって。
これで、コロッケを作るのがどんなに大変か分かったでしょ?
今度から、コロッケを食べる時は、手を合わせて感謝して食べてもらわなくちゃね。