「翻弄」ゆらぎ295『ムギョル No.20』 | jks & …muuminのブログ

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チャン・グンソクうなぎ

妄想の小部屋。少々腐入りです。

苦手な方はスルーしていただきますよう

ご注意ください。

ご訪問してくださるみなさまに心から感謝とお礼を申し上げます。





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ソギ & ムギョル

。。。。。。。。。。





It is continution

続きをどうぞ・・・







ソギは品の良い黒いスーツを着ていた。


「ソギ、時間だ」


「はい」


ソギは下を向いて溜息を吐いた。




相変わらず背の高い男だと、父の秘書のビ
ョンゴンは思った。


格好の良い男だと。



ソギは、一緒に暮らしていた頃より、まっ
たく恥ずかしがりに見え、それは、彼の性
的な匂いのする体に、ますます魅力を加え
ていた。



ソギは最初もじもじしていたが
「ありがとう」と礼を言った。



「さぁ!行こう」




ビョンゴンに促され、空港に向かう車に乗
った時は、それでも切ない気持ちがソギの
心を満たしていた。



けれど



それは大声で泣くほどのものではなかった
ので、ソギはただ甘く悲しいものが自分の
体を流れて行くのを味わっていたのだ。




不意に、ビョンゴンが車を止めた。



どうしたのかとソギが運転席を見ると、彼
は前方を見つめ、ハンドルにしばらくもた
れていた。



そして、顔を上げてソギを見ると「ほんと
に行くのか」とひと言、呟いた。




ビョンゴンさん・・・

「ぼくを甘やかしてくれる人」




ソギは息苦しくなった。


自分が自惚れすぎていたことを後悔する。


彼は自分より年上で、よく物事が解ってい
た。ぼくというものをよく解っていた。



ソギの心にさまざまな思い出が浮かんだ。

それは

甘くて
苦くて


まるで、チョコファッジのように

心に重く、ずしりともたれた。




ソギはしばらくの間、ビョンゴンの横顔を
見つめていたが、やがてドアに寄りかかっ
て泣きだした。



ビョンゴンは慌ててしまい、ソギに近寄
り、肩にそっと手を置いた。



「俺が言ったことで傷つけたのか」



ソギは鼻を啜り上げて、すまなそう表情で
彼を見上げた。



「ごめんなさい。違うんだ」


そう言って、ソギは泣き続ける。



小さく肩を震わせてる様子は、いかにも悲
し気だった。


ビョンゴンの知る限り、ソギは悲しみの泣
き顔を他人に見せたことは無かった。



「飛行機が欠航になった、って」


「大丈夫か?」



「大丈夫じゃない。ぼくは・・・ぼくは恋
を失ったんだ」



そう言って、どうにか嗚咽を押し殺すと再
び繰り返した。



「恋を、失ったんだ」


ビョンゴンは抵抗するソギを、窮屈な車の
中で、力ずくで抱きしめた。


やがて、ソギは脱力して彼に身を預けた。




たまには、言うことを聞かせたっていいだ
ろ。だって、兄だもの。

ソギは常日頃から俺を兄と呼んでいるのだ
から・・・




「家に帰ろう」



ビョンゴンはソギの返事を待たずに車を
Uターンさせた。



とまどったような微笑みを浮かべてるソギ
は、いたいけさを全身に広げてる。


途方に暮れた子どものような佇まいは、兵
役に就く俺を見送った妹に良く似ていた。



そんなソギを放っておける訳が無い。


見上げた空には満月が薄い光を放ってる。
暗くなるのを待たずに、街に明かりが灯
る。



しばらくして、眠り込んでしまったソギの
隣で考えた。


一体ソギに何があったのか。






自分の涙をビョンゴンの指が拭っている。
それを感じると余計に泣けてくる。


恋心を持ってしまったら、もうそれを持た
なっかった頃には戻れないんだ。


ぼくは悲しい。
だから泣いてる。



ソギは、ビョンゴンが自分のご機嫌取りに
何をしてくれるのだろうとひたすら待って
いる。





la fin





今日もお付き合いいただいてありがとうございました。
いつもいいね!やコメントをありがとうございます。



2020 X’mas online fanmeeting
12月19日(土)19:00~21:00

楽しみです♡♬(*'▽')♬♬



みなさま♡


佳い週末を過ごしてくださいねぇ~~~♬(*'▽')♬♬





あんにょ~ん♡