「翻弄」ゆらぎ159『ムギョル』 | jks & …muuminのブログ

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チャン・グンソクうなぎ

妄想の小部屋。少々腐入りです。

苦手な方はスルーしていただきますよう

ご注意ください。

ご訪問してくださるみなさまに心から感謝とお礼を申し上げます。



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Byond the time

『時を超えて』ムギョル 其の29

。。。。。。。。。。


It is continution

続きをどうぞ・・・





「・・・一緒に、弾いても良い?」


「いや!・・・俺は下手だから・・・」


そう言って、ジョンインは掌をぼくに見せる。
掌を真一文字に横切る傷痕は痛々しい。


「俺が自分で切った・・・俺は・・・父に気に入られたく
て・・・今は・・・なんて馬鹿なことをしたんだ、と・・・
後悔してる」

ジョンインの父は、ピアノを弾く妻を心良く思っていなかった。
両親に距離を置かれていたジョンインは、好きな音楽に費や
す時間を、父の為に使おうと思ったらしい。

思わずジョンインの手を取り、掌の傷に唇を付けた。


切ない想いに、痛々しい傷跡に、涙したのはぼくだった。
ぼくは、ムギョルのギターで楽譜をなぞった。
ジョンインも続く。


良いメロディーだ。



ムギョル!最高だよ!!
こんな素敵なメロディーを作るなんて!

なんて君は凄いんだ。
例え、酔っぱらって作ったとしても・・・


ぼくはお酒が欲しくなった。

チラッとジョンインの顔を覗き見する。


「・・・少し・・・飲むか?」


ぼくが頷くと、ジョンインは立ち上がり「少しなら大丈夫だ
よな?・・・」と薄い微笑いを浮かべて振り返る。

英国のアンティークなサイドボードを開けて、スッコチの瓶と
バカラのロックグラスを選んだ。

注がれたスコッチの香りは、ぼくを幸福感で満たしてくれる。


「・・・久しぶりだな・・・こんな風に・・・」


ジョンインはぼくを後ろから抱きしめると、耳元で囁いた。

ぼくの中のムギョルは、自分の受け止めたものを、素直に
欲しいと思う。そして、受け止められたくて、ジョンインの許
に甘く崩れる。

そんな時のムギョルは、まるで子供に、小さな動物に似てい
るとぼくは思った。

ぼくの背中は、ジョンインの胸にすっぽりと収まって、彼の暖
かい体に包まれてる。その心地良さに、ぼくはどうしていいの
か、解らなくなった。


急にジョンインが立ち上がる。


「誰か来たようだ」

「・・・?」


「ムギョル!」

メリを先頭に、ビョンゴンさん、チョンサが部屋に入って来た。

「・・・迎えにきた」

締め切りに間に合わないから、どうした?とか、こうしたとか、
口々に話すから、混乱してるジョンインが、困惑した顔でぼく
を見る。


「家に戻るよ。大丈夫!メリが、みんなが付いていてくれる
から・・・」

半ば強引にジョンインを説得して、彼の家を出て来た。


車の中で、詞を口ずさんでいる内に、頭に浮かぶ光景がある。

夢の中で描かれていた綺麗な風景は、照り付けてくる日射し
のように、とてもきらめいていた。

遥か遠い夢の中へ、誘ってくれる・・・


弘大のシャッターハウスに戻ると、ムギョルの作曲したメロ
ディーを、ぼくの弾き語りで聞きたいとメリに請われた。

ぼくが戻って、ホッとしたのか、ビョンゴンさんを除いて、メ
リとチョンサが焼酎を飲み始める。

メリにグラスを持たされたぼくも焼酎を口に運んだ。

酔いが回って、メリと子供時代の話で盛り上がり、ぼくは、
ぼくの詞を付けた曲を作りたくなった。

今夜の想いを忘れたくない。


ぼくは、ムギョルの仕事机に座り、急いで詞を書いた。


「ビョンゴンさん!これを持ってて!失くさないで・・・いつか、
いつか、必ず、ステージでこの曲を歌うから」


目を真ん丸に見開いて、ビョンゴンさんはぼくを見つめ、大
きく頷いた。そうして、楽譜を4つ折りにすると、上着のポケ
ットに大事そうに仕舞い、上着の胸の辺りを何度も拳で叩
いた。

俺に任せておけ!と言うように。

ぼくを見るビョンゴンさんの眼はいつも暖かい。

どんなものにも敵わない、大人向けの毛布のような愛情で
ぼくを包んでくれている。

そんなビョンゴンさんを見て、ぼくは、ついに、弱音を吐いた。


「・・・怖いんだ」

そして、謝りたいんだ、と。

「どうした?・・・ソギ!」

ぼくは・・・

見掛けはムギョルだけど、中身はグンソクだ。
ビョンゴンさんは見間違ったりはしない。


「ぼくたち、結婚したよね?・・・あれは、間違いだと気付い
たんだ」

「何故?・・・今頃?・・・」

ぼくは、元の世界に戻れないのか?とか、戻っても、待ち構
えているのは、誰かのとばっちりみたいなスキャンダルだし、
とか・・・


ムギョルと一体になっていて、怪我をしたり、交渉もしなくち
ゃいけない。

いろいろ不安なことばかりで、ビョンゴンさんに頼りたくなっ
たのかも知れない、と、そう思ったのだ。



「いつ結婚するの?ってビョンゴンさんを困らせて、本当
に、ごめんなさい。でも、結婚してくれてありがとう!・・・」


ぼくは泣きそうになった。

「・・・知ってるさ!ソギ!・・・お前の考えてることぐらい、
朝飯前に解ってる。俺はそれでも嬉しかったし、結婚した
から堂々とお前のあそこに尿瓶もあてられた」


「えぇーっ!・・・そんなことしたの?」

ぼくは、恥ずかしさで、息苦しくなって顔が熱くなる。

「あぁー!・・・意識が無かったからな」

照れて頭を搔いていたビョンゴンさんは、少し、嬉しそうな
顔を上げてぼくを見た。

「・・・やだ!」

プイッと横を向いたぼくに、ビョンゴンさんは話を続ける。


「結婚は逃げ道じゃないのは解ってるさ。気分転換でもな
いってことも。結婚は永遠の愛を誓う神聖なものだ。でも、
な!俺はいつ、いかなる時もお前を愛してると誓える。だ
から俺はこっちで結婚できて嬉しかったんだ。元の世界へ
戻ったら、この結婚は無効になるだろうから・・・」


頼むから,後悔しないで欲しい、とぼくに頼んでくるビョン
ゴンさん。

それにしても・・・

ぼくに黙って、尿瓶は無いよ!・・・



ぼくは・・・

唇を尖らせて、ビョンゴンさんを睨んだ。







to be continued



今日もお付き合いいただいてありがとうございました。
いつもいいね!やペタ、コメントをありがとうございます。


今週も、相変わらずのドタバタ忙し、の日々でした。
そんな中、Zカフェに行けて、とても癒されました。

無理して行って良かった♡ヾ(≧▽≦)ノ


気分を一新して、金曜日は母の所へ行ってきました。
 

「そだねー!」

今、母との間で流行ってます(笑)
イントネーションがイマイチですが・・・

話の途中で「そだねー!」と言い合って笑います。
殆どの話は、それでお終い(笑)

「完」の威力があります…♡((´∀`*))ヶラヶラ


方言って、そこはかとない温かさを感じられて・・・
良いですよねぇ~♡(*'ω'*)


お互い、年を重ねて、面倒なことはどんどん避ける傾向が
強くなり(笑)・・・ほとんど、私の方ですが( ;∀;)


やる事も行動も遅いから、時間が足りなくなってドタバタ・・・
もう!自分が生きていくことだけに、必死でつ!(笑)


ぐんちゃんの情報も多くて、溺れそうになってます(笑)
なんとか追いつこうと…ゆ、所存でおりますが・・・

だいぞぶかなぁ~~!?


今週の土日は役員交代の用事が目白押しで、のんびり
とはいかないから、お使いのついでに、近くの桜を見て
きました。

もう、満開に近いです♡


みなさま♡良い週末を~~~


これから、みなさまのインスタ、ブログへお邪魔しますので、
よろしくお願いしまぁ~す♡( *´艸`)



あんにょ~ん♡