「翻弄」ゆらぎ134『ムギョル』 | jks & …muuminのブログ

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チャン・グンソクうなぎ

妄想の小部屋。少々腐入りです。

苦手な方はスルーしていただきますよう

ご注意ください。

ご訪問してくださるみなさまに心から感謝とお礼を申し上げます。



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Beyond the time

『時を超えて』ムギョル 其の4

。。。。。。。。。。


It is continution

続きをどうぞ・・・






ぼーっとしてるムギョル。



「さぁー!帰ろう!」


サイドブレーキを解除した。


イグニッションキーに手を伸ばし、「ムギョル!」と呼び掛
ける。チラッと俺を見たムギョルは、かぶりを振り、そうし
て、まだ心に残っている母の面影に別れを告げたように
見えた。


俺がシートベルトに手を伸ばすと、ムギョルも倣う。
テレビ局を出たのは5時半頃。空は既に暗くなっていた。
弘大のシャッターハウスを目指して走る。


信号で停まるたび、ムギョルを見た。


ソギに比べると、ムギョルは男っぽいところがあるようだ。

ウエーブの掛かった栗色の髪は女性的だが、太い眉は意
志の強さを表してる。固く結んだ唇。その所為だろうか。

ときおり浮かべる笑みは、逆に印象的だ。自信満々のよう
でいて、ふいに不安気に目を伏せたりもする。


目を閉じ、商店街をソギと並んで歩いたひとときを記憶の中
にたどる。自分の肩の辺りにあった肉厚の唇。細い顎。俺を
見る丸い目。ノイズのごとく周囲を舞う、ピンク色の、何か・・・


弱音を吐かない処は、ムギョルも同じだ。

なぜだろう。不思議なほど鮮明にソギの顔が思い浮かぶ。



街灯の光が、ムギョルの、憂いを秘めた美しい横顔を浮き
上がらせる。遠くを見つめる焦点の定まらない眸から、今
にも涙がこぼれて来そうで、目が離せない。


惹きつけられて、目が離せなくて、何度もクラクションを鳴
らされた。




「ぁッ!」

ムギョルが小さな声を漏らす。


「どうした?」


「・・・・雨」


見ると、確かに。フロントガラスにポツポツと雨粒が落ちて
くる。ムギョルの代わりに空が泣いているのか、と思ってい
るうちに、雨粒はどんどん大きくなっていった。車の屋根も
騒がしくなり、ライトに浮かぶ路面は白く煙ってくる。


家の近くまで来ると、エンジン音を聞きつけたメリが飛び出
してきた。


「おかえりー!」


相変わらず元気な声だ。


「濡れるぞ」


雨の中、メリはオーライ!を繰り返して、駐車場に車を誘導
する。エンジンを切るやいなや、ムギョルの座る助手席側の
ドアに駆け寄ってきた。


「ムギョル!」


「・・・ウン?」


ギターを抱えたムギョルは、早足で部屋へ。


俺とメリはジョンインに預かった段ボール箱を降ろした。
中身はムギョルの衣装らしい。衣装ケースもあった。


部屋へ入ると、ムギョルはヘッドホンを付けてパソコンを見な
がら、ギターを掻き鳴らしてる。



「ムギョルは仕事だから、ビョンゴンさん手伝って!」

メリにエプロンを着せられて、ゴム手袋を渡された。一日漬け
た白菜の、一枚一枚にキムチの素を塗って行く。


ビニール袋に入れて、専用の冷蔵庫に保存すると、2、3日で
食べられるそうだ。



「私のキムチは美味しいんだから」

満面の笑みでメリが言う。


食事の支度が出来ても、ムギョルは仕事を止めない。
俺とメリは二人で食べ始めた。


食事の合間にメリがボソッと話し出す。

ムギョルとは親友で、ジョンインは元婚約者だそうだ。
最近のムギョルは、ちょっと変なんだ、とメリ。


どこが?と聞くと「なんか、水臭いの」と、微かにメリの眉
根に力がこもる。細からず、太からず、綺麗に整えられ
た眉だ。意地悪なようだが、困った表情が可愛く見える。


メリはしばらくしてから答えた。


「心配なのよ。何か隠してるみたいで。ジョンインも心配して
ビョンゴンさんを雇ったみたいだし。ムギョルがちょっと有名
になって、母親が現れてから、変な男の人がうろついてるし・・・
ビョンゴンさん!何か知ってる?」


「俺は何も・・・」


さらに、メリの表情に困惑の色が強まる。


この弘大のシャッターハウスの周りをうろつく不審な男と
は、何者なのだろう、とシャワーを浴びながら考えた。


着替えて出てみると、ムギョルが居ない。
メリに聞くと、曲が出来上がり、今、届けに行った、と。

急いで上着に袖を通し、部屋を飛び出した。
慌てて、ムギョルの後を追う。


期限は明日までだが、油断できない。
相手が相手だ。

気が急いて、足がもつれる。


弘大の駐車場通りへ出ると、フードを被り、楽譜ファイルを
小脇に抱えて、内股で歩くムギョルを見つけた。


「ムギョル!」


俺にしては珍しく、大声で叫んだ。
街のざわめきに掻き消され、ムギョルに届かない。


「ムギョル!」


もう一度、呼び掛けて、手を振る。
ムギョルは俺に気付いたのか、道路を渡り始めた。


瞬間、信号が変わる。

目の前を黒いバンが横切って、ムギョルが見えなくなった。





。。。。。。。。。。






信号が変わるすれすれに、歩道を突っ切ろうとした時に、
ムギョル!と呼ぶ声が聴こえて、足を止めた。信号が変わ
り、右側の車が一斉に動き出す。



「乗り給え、早く」


エンジン音と歩行者の上ずった叫び声に混じって、あの男の
声がした。ドアは半分開いていて、既に道路の三分の二まで
来ていたぼくは、車に乗り込むしかなかった。




「ビョンゴンさん!」



ドアが閉まるその寸前に、ぼくは振り返って大声で叫んだ。


ビョンゴンさんに気付いて欲しくて・・・











to be continued





今日もお付き合いいただいてありがとうございました。
いつもいいね!やペタ、コメントをありがとうございます。


気づけば9月も今日で終わりですね。
最近は、時間が光速で過ぎていくように感じます。



先週は母に会ってから、怒涛の一週間でした。

土曜日には母の事で、週が開けて仕事の事やその他諸々
次から次へと問題山積・・・

気分も下がったり、ちょっと上がって、また下がったり、
下がったり、と、体調を崩しそうになりました。



そんな中、FCの注釈付きもプレリクも落選。


激戦だからと半ば諦めていたのですが「ご用意できませんで
した」の非情な文字を見て、これで最後かもしれないから、
会いたい人に会える機会を逃したくない!!・・・

その一心で、再度プレリクに申し込みをしました。


まだ、プレリクなんですね(笑)



最後に、もう一つ・・・

来年のときラブのお知らせにビックリ!!!


もう!完全に、これで「最後!最後!詐欺」になりました(笑)


追加もチムエチもあると良いですね♡
やって欲しいなぁ♡(*'▽')/

お友達に会えるチャンスが増える…♡




みなさま良い日曜日を~♡






あんにょ~ん♡