「翻弄」ゆらぎ130『ムギョル』 | jks & …muuminのブログ

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チャン・グンソクうなぎ

妄想の小部屋。少々腐入りです。

苦手な方はスルーしていただきますよう

ご注意ください。

ご訪問してくださるみなさまに心から感謝とお礼を申し上げます。


。。。。。。。。。。

Beyond the time

『時を超えて』ムギョル 序章

。。。。。。。。。。



So,please

それでは、どうぞ・・・






今夜の打ち合わせは長かった。

長い打ち合わせがやっと終わり、ぼくたちは揃ってエレベータに
乗り込んだ。やたらと大きな箱の、広いエレベータだ。スタッフ全
員が高い天井に目をやり、壁を眺めて顔を見合わせた。

同時にふぅ~!っと全員で息を吐いたから、皆、一斉に照れ笑い
を浮かべる。




「ソギ!腹は?・・・」

エレベーターで二人きりになると、ビョンゴンさんが声を掛けてきた。


ぼくたちは午後の3時に遅い昼食を摂っただけで、深夜に近い今
の時間まで、水やコーヒーの飲み物以外、固形物を口に入れてな
かった。


「そうだね。まず、お酒が飲みたい、かな?!・・・」


ビョンゴンさんは、そう言うと思った、というふうに微笑う。


「ルームサービスで良いか?・・・」

「うん。任せるよ。」

ビョンゴンさんは頭の中でメニューをめくり始めてる。


長い会議は、頭だけじゃなく、体も疲労させる。
ルームサービスはビョンゴンさんの担当。
お酒と料理が届くまで、ぼくはベッドで横になると決めた。


あぁー!

なんか・・・
自由が欲しいなぁ!


ぼくは、ずっと、自由気ままなムギョルに憧れていた。ドラマ
で演じただけだけど、実際に存在するような錯覚を起こす。
白いシーツに包まれて、あの場面を思い出した。

ムギョルになったみたい。
ククク!・・・



「ソギ!料理が来たぞ!」


ぼくはうとうとと微睡んで、夢を見ていた。ビョンゴンさん
の嬉々とした声が、ぼくの夢を裂く。

夢の中で、ぼくは大きな花束を抱えていた。
とても良い匂いがする。

花独特の甘やかさと、気高い香りだ。


ぼくは香りにむせながら「ありがとう!みんなありがとう!」
と何度も繰り返していた。隣に居るのは、ジョンイン?

ん?そんな、バカな。
頭を振って起き上がり、小さなくしゃみをひとつした。



「ソギ!だいじょぶか?・・・風邪ひいたか?」

ビョンゴンさんがベッドに駆け寄ってくる。
毛布をぼくに巻き付けて、リビングからワゴンを引いてきた。

「ここで食べよう!」


ビョンゴンさんはジャックダニエルをジンジャエールで割った
グラスをぼくに渡し、チキンサラダをベッドトレイテーブルの
上に置いた。


「ダイエットしなくちゃ、な!・・・」


また、チキン?ぼくは、味の濃いラーメンが食べたいのに。

おまけにジンジャー割だって?・・・
ぼくは大人だ!子供じゃない!

ベッドから床に降りた。

ジンジャー割のジャックダニエルをビョンゴンさんに返し、別
のグラスにジャックダニエルをなみなみ注ぎ、一気に飲み干
した。


今は、本物の酒が欲しいんだ・・・


ムギョルの夢は、リアルだった。あれは、教会の中だ。
何をしていたのか、気になる。

そんなことを考えていたら、体が熱くなってきた。頭が痺れ
るように痛い。早く冷やさないと。

ぼくは洗面所のドアを開けた。そして、その痛さに蹲った。





。。。。。。。。。。





遅いな。いつまで洗面所に居るつもりだ?

ソギが気になる。手の中のジンジャー割を暫く見つめていたが、
意を決して声を掛けた。

ソギ、入るぞ!
洗面所のドアを開ける。


ムギョル?・・・


そこには、ドラマの中のムギョルが洗面台の鏡を見ていた。


ソギは何処へ行った?・・・
まさか・・・ムギョルに変身?・・・


まさか・・・


ソギは、いや、ムギョルになったソギは「行かなくちゃ!」
そう言うと、俺を押しのけて、ドアを開けると、洗面所から
出て行ってしまった。目の前でバタン!と音を立てて、ドア
が閉まる。


「おい!ソギ!どこへ行くんだ?どうしたんだ?」

慌ててソギに続く。



ドアを開けたら、そこは、ライブハウス。うねる波のように
音と光が溢れる中、ソギを、ムギョルになったソギを探す
ために、店内に足を踏み入れた。





。。。。。。。。。。





ぼくは、既に後悔しはじめていた。


ジョンインと喧嘩をして、家を飛び出したぼく。
弘大の街のクラブ通りを歩いていて、ナンパされた。


他愛も無いことで喧嘩したジョンインの顔が浮かぶ。


酒を奢るから、と誘われた。飲みたい気分だったぼくは、あ
やしいバーへ、ついて行った。テーブルに付くと、タンカレー
が運ばれてくる。それを、腹に注ぎ込んだ。


「何か、食べたほうがいい」

男はテーブルに肘を付き、指を組んで、ぼくを見つめてる。



ウエイターが熱いスープを運んできた。
音を立てて、皿が目の前に置かれる。


皿の中には、しなびたチキンヌードルが横たわり、ウエイター
はその上に、黄色いスープを注ぎ込む。



「・・・そう怖がらないでくれ。食事の時はコートくらい脱が
なくちゃ・・・」


男は、ぼくのコートを丁寧に脱がせてくれた。肩に掛かる彼
の爪は、すべて綺麗に磨かれている。人間を心地良くさせる
術を心得ている爪だ。ぼくはそう思う。

コートハンガーの前に立つ、この男をまじまじと見た。
そんな余裕ができたのは、クラブが込み始めたからだ。
喧噪はひとりの人間の虚しさを容易に消してしまう。


ムギョル!

ぼくを呼ぶ声が聴こえる、と思った瞬間、ぼくは強い力で抱
きしめられた。


ジョンイン?・・・
ぼくを探しに来たの?・・・


「ムギョル!・・・俺が悪かった。」

ジョンインは目を細めて、優しい微笑みを浮かべてる。

「今日は記念日だった。忘れて悪かった。お前の好きな事を
しよう!家に帰って、ベッドへ行こう・・・」


ぼくの耳朶を甘噛みして、舌を丸め、耳に息を吹きかけた。


「あぁ~ん!・・・」


「後で、好きなだけ、好きな処へkissしてあげる・・・」

思わず喘いだぼくに、ジョンインが囁いた。






。。。。。。。。。。




下半身の力が抜けて、抱えられてるソギを、ムギョルを見つけた。
抱えてるのはジョンイン?・・・


ドラマの台本はどんなだった?・・・

それにしても、ソギとムギョル・・・
共通点が有り過ぎるのだ。
放っておけないと思わせる、何かを持っている。

店中の視線がムギョルに集まってるように見えた。


ソギを取り戻すには、どうしたらいい?・・・


俺は、ジャケットの前を、きつく合わせた。










to be continued





今日もお付き合いいただいてありがとうございました。
いつもいいね!やペタ、コメントをありがとうございます。



月曜日に、パソコンが壊れて、手配に追われ、月末のお仕事も中断!
データの復旧に時間が掛かり、やっと、金曜日に請求書が出せました。

今週は何か・・・
お天気もおかしかったし・・・
偏頭痛もあったし・・・

金曜日は爆睡でした(笑)



みなさまご自愛なさってくださいね~♡
素敵な日曜日を~♡



あんにょ~ん♡