マリンビレッジの倉庫に1匹の黒い子猫が住み着いた。
ここで生まれ、親に死に別れたのか捨てられたのかはわからない。
昨年の夏過ぎから姿を見かけ、最初は2匹いたのだが間もなく1匹になった。
民家もなく食べ物もない島だからおそらく命を落としたのだろう。
この生き残った黒猫の子供に「ニャンゴ」と名付けた。
黒猫のダンゴに続いて黒猫のニャンゴ・・
これくらいの子猫なら普通は警戒心も薄く人に懐くのだが、人を見ただけで一目散に素早く逃げ去る。
距離をとるのではなく、はるか遠く姿が見えなくなるまで全速力で逃げるのだ。
ちっこく可愛い盛りなのに目つきも鋭く、まったく可愛げがなかった。
子猫ながらニャンゴは既に血統書付きの「野良」になっていた。
エサを与えることもなかったがニャンゴは生き延びた。
小さな昆虫や小動物、ビレッジのわずかな残飯を漁って暮らしていたのだろう。
ニャンゴとの距離が縮まった昨年の12月からで、近くをうろつき残り物の魚も食べるようになった。
憐れに思ったいくがこっそりエサをやっていたのだ。
追い出すわけにも行かず、その理由もないなら残った食材は有効に使った方がよい。
民家もなくエサも乏しいこの場所では体が大きくなる程生き残るのは難しくなる。真冬はなおさらだ。
冷凍庫には食べられないことはないが、古くなって使わないアジやイサキの冷凍がどっさり残っている。
処分するならニャンゴに少しずつあげたほうがよいではないか。
暖かくなり釣りのシーズンになれば魚のアラはいくらでも出る。
アラの処理係は目の前の海の「エコ・エイ」達だが、そこに猫一匹加わるだけ。
ニャンゴのエサ係は当然だが大の猫好きの「いく」ちゃん。 ビュー~~っと逃げるのは相変わらず。
数年前、短命だったがブサイクなオスの野良猫タマの面倒もいくは見ていた。
決して人に懐くことなく、むしろ・・エサを出さんと「フ~~」っと怒るから始末が悪い。
いくはたまに来るこの猫に・・恐喝されていた。
お野人はケンカで負けた傷が悪化、最後の別れに来たタマと最後の晩餐を分かち合い、数日後にタマはいくと野人に看取られて逝った。
この時初めてタマの汚れた体に触れ、撫でてあげた。
エサを与えたこの時から生涯ニャンゴのご飯の面倒を見ることになってしまい腹を決めた。
そうなれば長いお正月休み、エサを期待するニャンゴを放っておくわけにも行かない。
正月は毎年のようにビレッジの調理場で1人働いているが、特に用事がなくとも毎日顔を出してニャンゴにエサをあげた。ちっとも可愛くないが仕方ない。
「ごはん 毎日あげてね」といって高知に帰省したいくの頼みもある。
野良の純血種ニャンゴとの距離は急激に縮まった。
竹輪の友と最後の晩餐
http://ameblo.jp/muu8/entry-10616622486.html
アゴやられて 舌が引っ込まんのか・・
生前のタマ ふてぶてしく バッチイ・・
長~いよだれも垂れ流す
エコ・エイ エイ・リアンの突進
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