元極道の求道者　脱洗剤実践録

野人講習会の生徒に元極道の僧侶がいらっしゃる。

玄龍さんは沖縄で生まれ沖縄で育った。

最初の仕事は海外青年開発隊、漁師、建設業、マルチ商法、美容室、寿司屋、ホストなどを経て実業家へ、市民オンブズマン設立、２０代で政治結社を設立、３０名の会員を抱え、解散後にヤクザ組織へ入る。３２歳で３代目組長を継承、前科は７犯を超え、獄中時代には人との接触を一切断たれた３畳の独房生活２年間、１日平均５時間の座禅の中から道を見出し、出家を決意、ヤクザ社会と決別した。

兵庫県の自給自足の曹洞宗安泰寺、日蓮宗常境寺で修行後、伊勢市二見の太江寺へ。
瞑想、祈祷、占星術、様々な仏教の技法や東洋的叡智を用いて日々奮闘中。
自身の経験を活かしながら、誰でも変われることを説き行動と救いの仏教者を志す。
現代の国内仏教にも大いなる疑問を抱えており、本当に救いとは何か。身心を癒す仏教とは何か。自問自答しながら、求道者の道を歩んでいる。

玄龍さんは４０過ぎたばかり、賛否はともかく優れた資質と統率力なくして、若くしてこれだけのことがやれるものではなく、強い精神力がなければ２年間も人と接触を断たれた狭い独房生活に耐えられない。

そして絶頂期の組長の時に決断した。

相当に華やかな暮らしも味わっただろうが今は質素な暮らし、托鉢で生計を建てている。

気持ちがよい男でその志は野人と通じるものがある。

お野人もまた異質な男の世界で生きて来たが・・

土俵は違っても命を賭けて戦ったのは同じ。

そして、やっと進むべき道を見つけたのだ。

玄龍さんは澄んで輝きのある素晴らしい目をしている。

お笑いなくして生きられないのはお野人も同じ・・