イチジクと古代イチジク | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは



夏から秋はイチジクの季節、むー農園にはイチジクの木が5本あり、毎年どれも鈴なりだ。

その内の2本が日本在来種の日本イチジク、小ぶりだがこれが一番旨い。


小ぶりで日持ちが悪い為に商業用としてはあまり出回らない。

市場の8割を占めるドーフィンの方が日持ちも良く大きな実を付けるが、むー農園で食べた人のほぼ全員が在来種に軍配を上げる

この2本は熟しても黄緑色のまま、触れて見なければ熟したのがわからないくらいだ。


400年くらい前に中国から伝わったと言われ、日本の風土に長く定着したせいか甘味と酸味のバランスがお上品にとれている。

肥料をまったくやらないから雑味もなくさらに澄んだ味だ。

イチジクが好きではない読者もこれは美味しく食べられた。


何故日本名が「イチジク」になったのか、語源説は色々あるが、イチジクは太古の昔から日本にあり、古代人には季節の楽しみだった。

古代イチジクとは「イヌビワ」のことで、はるかに小粒だが色や形も歯触りも味もそっくり、もぐと「乳」が出るのも同じだ。


葉の形はまったく違うが、このイチジクが外来種の立派なイチジクにとって代わられその名を返上した。

そもそもイチジクもイヌビワも学者が付けた名前で、魚同様に各地での植物の呼び名は異なる。


南伊勢町では昔から「チチモモ」と呼ばれ、「イヌビワ」と言っても通じない。

「乳桃」音譜・・「乳腿」ラブラブ・・どちらにしても妖しい響きだな。


イチジクの葉っぱは聖書にも登場、禁じられたリンゴを食べたアダムとイブがお隠しになった葉がこのイチジク。

「木の実は知恵の実」と言う記事も書いたが、知性と羞恥心に目覚めた2人はいまだ未熟故に「隙間だらけ」で丸見えのイチジクの葉を選んだ。

もっと自分の足元・・いや腹元をじっくり見れば良かったのだが・・


現代人が知恵の使い方を間違えて迷走しているのはこの時から始まったようだ。

おかしな常識などは穴だらけ隙間だらけで・・イチジクの葉っぱそのものだな。


イヌビワ  ねっとりと甘い


実の先端から甘い蜜が溢れ出ている

古代イチジク イヌビワ

http://ameblo.jp/muu8/entry-10112805288.html

子供が野菜を嫌う理由15 アダムとイブのイチジクの葉っぱ論

http://ameblo.jp/muu8/entry-10780427292.html


木の実がもたらす力

http://ameblo.jp/muu8/entry-10830922108.html