お女中方が待ちうける華やかな宴の席に引き出された野郎どもはまな板のコイ・・
いや、鯉ではなく茹であがったタコのようのものだ。
最初に・・ちっこいラクガンのようなお菓子が出された。
誰も手をつけず横目で野人の一挙一動を観察
いつ どのように食っていいかわからんのだ
お菓子をつまんだ野人は
目の前に運んで じ~っと観察
正体 品質を確かめてから
流れるような手つきで・・口の中に「ポイ」
それに続いた奴らも
ポイ ポイ ポイ 丸ごと・・
じっと見つめるところまで同じではないか
お女中方 目がラッキョ
まず 最初に 野人に茶が出された
今度は じっと見つめずに
両手で掴んで 流れるような作法で
一気に 「クピ」・・と 飲み干した
見習ったやつらも
クピ クピ クピ~
ポイポイ ウェーブ・・の次ぎは
クピクピ ウェーブ・・
お女中方 笑いをこらえる
最後に 野人は言った
「ありがと・・」
次々に「ありがと・・」が連呼されると
すすり泣きのような 笑い声が漏れ
うつむいた1人のお女中の肩が震えだした
相当・・がまんしとる・・苦しいだろうな
「お手前の名は 何と申す?」と・・
言おうとしたが やめた
きっと 笑いをこらえきれなくなり悶絶するだろう
あまりにも不憫だ
しかし 最後まで忠実に 寸分狂いなく
野人の真似するとは思わなかったな 個性もない
真剣に いかにモテたいか いじましいやつらだ
やはり・・気迫だな
こうして 奴ら初体験の茶の道は
ソツなく さわやか~に終わった
が・・
続く・・
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