成長と肥大 2 誕生と消滅 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

自然界の中で唯一肥大するのが「草類」であり、それは肥大の役割を担っているからだ。

土壌構造の創世期は1年草が先鋒となって表土に侵入、根を枯らして空洞構造を形成、さらに循環において最も重要な役目を果たしている。


生命は誕生と消滅を繰り返し、誕生なくして消滅はなく、消滅なくして誕生もない。

地球の元素量は変わらず、厳密に言うなら消滅と言うより分解された有機物が元の見えない元素に戻ると言うことだ。

分解は地上では必ず表土で行われ、好気性微生物の及ばない通気口のない土中では不可能。

腐敗するか化石か別の物質になるしかなく、石油石炭もそうして生まれた。

有機物を土中に埋め込むのは人間しかなく、そのような土壌は自然界に存在しない。


表土で分解された元素が雨水に溶け込み、土中に沁み込めば草の根にすべて吸い上げられ、地上へ戻され葉茎は限りなく肥大する。

拡散の役割の一部を担っているのが短命の昆虫であり、循環が繰り返されて元の元素に戻る。


草と、草が進化した樹木を比較すればその道理が理解出来る。


樹木はいくら肥料を与えようが、全体の物理的バランスを保ち続けている。

肥大しないが成長は早く、枝を伸ばし葉も実も多く付けるが葉や実は断固として一定の形を保っている。

これは全体のバランスだけでなく、中身の成分もバランスを保とうとする樹木の知恵なのだ。


草や草の実は無制限に肥大する種が多い。

役目上、細胞がそのように出来ているからであり、巨大な葉野菜や根菜、お化けカボチャやスイカなど人は技術を競っている。

何故バランスがおかしいか考えてみるといい。


草も木も果実は種の保存が目的であり、果肉はタネを動物に運ばせる為のものであり必要なだけあれば済む。

タネが膨らまず果肉だけ肥大するのは異常であり、目的は草類と同じく過剰成分の廃棄しかない。

トウモロコシやタマネギもその構造から、売られているあの大きさになるほうが異常なのだ。


形だけでなく成分バランスも大きく崩れた野菜類は腐敗しやすく分解もままならない。

無肥料野菜、化学肥料野菜、有機肥料野菜の比較腐敗実験などやるまでもない。

異物が混入して肥大するほど腐りやすく、動物性のものなど異物が多彩なほど臭い。

肥料と水分でバランスを壊せば自己分解出来ず、自然界の植物とはほど遠い。


樹木もかろうじて本来の形は保っているが、過剰な成分は実に送り込んで外に出し、動物に運ばせて分散させる。

本体である幹と葉には出来るだけ余計なものは残そうとはしない。

果実の味の違いは明らかだが、草類に比べれば本来のものに近い。


続く・・


大地の仕組み 土の誕生

http://ameblo.jp/muu8/entry-10104555722.html


土壌が肥えることなどはない

http://ameblo.jp/muu8/entry-10170062873.html



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