イタリアンシェフから聞いた話では、2mを超えると先端から「アク」が抜けるらしい。
試してみたら確かにその通りだ。
各地でもこの穂先タケノコ活用の取り組みが始まっている。
タケノコの旬は過ぎたが、高さ50㎝、1m、1m50、2m、2m50のものを生で試食してみた。
2mのタケノコの根元は柔らかく、生で食べられないことはないがアクがある。
加熱して食べるのは何の問題もなく、他のサイズのものも同じだ。
1m50のタケノコの先端は美味しいのだがややアクがあり、2mを超えたタケノコの先端はアクも気にならず美味しい。
わずか50㎝の違いだが、食べ比べてわかった。
2mのタケノコでは先から1mほどが使えるが、加熱アク抜きすればこれらの峠をはるかに超えたタケノコは美味しく食べられる。
子供でも簡単に折れて目方も数倍、こんな楽な事はない。
何故、今のような短いタケノコが流通の代表になったかは知らないが、初物好き故かもしれないな。
ポキっと折るだけで竹林の管理が楽になるならこれからのタケノコの主流になるかもしれない。
昔からマダケなどは掘ることなく伸びたものを折って採取する。
南西諸島の琉球竹も折ってとるのが当たり前、同じ竹でも何故孟宗竹だけ根から掘るのか、その道理を比較して考えればとっくに答えは出ていたはず。
知っている人は昔からタケノコを折って食べていたことだろうが、そのような商品は店頭に出回らなかった。
これも食の常識がいかにあてにならないかの一例であり、もっと早くやっていればすぐにわかったことだ。
何故他の竹は折るのに孟宗竹だけ掘るのか、何故、他の生き物は必要ないのに人間だけ歯磨き粉が必要なのか、地上の生き物は例外なく皮脂膜と微生物のバリヤー機能を保持して何の問題もないのに、人間だけ毎日それを落として対処にお金と時間を費やし病に苦しむのか、これもまったく同じ道理だ。
問題は、何故2mを超えると味がスッキリするのか、その理由を分析してみよう。