ブッシュマントマトの知恵 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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デザ~ト
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美味しいね
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ダイエットセミナーの翌日、今野さんと参加したもう一人が再びマリンビレッジで昼食。

他のサラダはむー農園で事前に野人が調達、このトマトは昼食前にセルフで収穫していただいたが、しゃがみ込んで地面から拾う格好になる。

トマトはアンデス原産、ツル性ではないから巻きついて天に昇るものではなく、上下左右に蛇行しながらブッシュになり、互いに絡みつくことで強風にも耐える強固な仕組みを築く。

写真でもわかるように地表スレスレに実を付け、適度に陽を受けるよう葉が調整、見事なトマトブッシュマルチになっている。

高温多湿の日本はトマトの生育に向いているとは言えないが、トマトの本質を保たせることで「割れ」が極端に減少する。

人間の都合で十字架のようなものに磔にされ、芽や枝をちょん切られ、収穫しやすく見栄え良く、エサをたっぷり与えられて無理やり実を付けたおかしなメタボ野菜ではない。

トマトだけでなく、野菜に人間の感性や美学や盆栽理論を持ち込むものでもエサを与えるものでもない。

彼らは人類よりはるか以前から表土を作り、生命を育んで来た誇り高き植物なのだ。

野菜に「健康、自然、大地の恵み」を望むならなおさらのことで、言うこととやることが矛盾しているではないか。

メタボを食べればメタボになるのは当たり前だと思うが・・・

肥料で肥大させて細胞のバランスが壊れた食べ物は、人の正常な代謝、治癒力をも狂わせる。

有機だから、天然だからと言う理のない言葉を使うのは自由だが、天然有機化学に関係なく肥料と水で植物を無理やり肥大させることが問題で、喜んで育つのではなく、土中異物の浄化排出が使命だから仕方なく膨張するのだ。


スーパーの味気ないトマトや肥料で味が決まる有機トマトとは段違い、自らの力だけで自由に育ったトマトは自然な甘さで本当に美味しい。

献立は野菜サラダに生牡蠣と焼き牡蠣、モンゴイカの刺身、黒鯛炭火焼と、前日に比べれば質素なメニュー。

デザートは最後に残った小さなフェイジョアだったが、初めて食べた2人はその味に大感激だった。