ご馳走が人間の主食 母の理論 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

母は本能と理性のバランスがとれている。

野人理論と共通点も多いが、正反対の道理でも生き延び「野人エッセイす」など必要としていない。


食べ物や健康管理は本能であり、理性を持ち込んではいない。

だから90歳近くてもピンピンしているのだろう。

「一番旨いと感じるのが主食・・」 母は野人理論と同じことを言った。

つまり「ご馳走」が人間の主食と言うことだ。

ご飯やパンだけいくら味付け工夫してもご馳走とはあまり言わない。

個人的嗜好は別にして野菜など他の惣菜も同じことが言える。

世界中の人類で統計をとれば美味な肉、海老,蟹、貝、カラスミ、キャビアなどのタンパク質に軍配があがるのは言うまでもない。

メインディッシュが料理の主役なのは世界中で共通している。

文明の進んでいない地域では豚などの御馳走は特別な祝い事の時だけ食べる。

豊富ならば毎日でも食べたいと言うのが本音だろう。

地球の他の動物がそうであるように、バランスよく食べられるはずもなく、冷蔵庫もない時代、大型猪を仕留めれば家族で何日もそればかり食べ続けたことだろう。

野人も食糧の乏しい南の島で茶色い野生ヤギを三日間食べ続けたが、それが人類本来の食だ。


母に言わせれば、果物や野菜も必要だが人間の主食は動物性タンパク質であり、それを食べなければ本来の力が発揮出来ず必ず何処かの機能に支障が出る。

食べられない時代は何を食べても生き延びなければならないが、手軽に食べられるのなら毎日肉や魚介だけでも何の問題もなく、むしろそのほうが幸せで有難いことではないか。

ただ野生肉と違い養殖された肉は飽きるからそうも続かない。

肉が体に悪いのではなく、野菜同様、養殖に問題があるからだ。

戦前戦後を生き抜いた母は今の食文明に感謝の念を持っている。

今の農業と食文化が健康環境悪化の最大の主因と説く野人理論とはまた異なる。

だから「野人エッセイす」などケンモホロロなのだ。

入浴剤や歯磨き粉はたまにしか使っていないが、「どちらでもいいでしょ、好きなように使えば」と、気にも留めていない。

塩は塩化ナトリウムでも構わんから「むー野菜」同様に「むー塩」も必要ない。

母は野人を助けることはして来たが、助けなどあまり期待していないのだ。

具合でも悪くならない限りむー塩と野菜を勧める機会がないが、健康診断の数値はこの年まで一度も狂ったことがない。


本来の生命力を持っていれば何を食べ、何をしようが生きて行ける。

しかし現状はそうではなく大半の人が病に苦しんでいる。

その原因を追究した方程式が野人理論であり、本来の生命力を誰もが持つようになれば野人理論もまた不要になると言うことだ。


母を生きた化石、天然記念物、人間国宝と言ったが、母の思考と体には人類が最も望む健康長寿の秘密が隠されているかもしれない。

素直に教えを乞うかな、正座して・・・