協生むー茶園の謎を解く 1 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

協生ムー茶園の野菜は立派に育っていた。

1年に満たない新農園、二見農園はともかく、4年目に入って土壌構造が出来上がりつつあるムー農園でさえもここまで大きくはならない。

大きいと言っても肥料で作ればこの程度は当たり前だが、無肥料で、しかも赤土、大きな塊はメロンほどありまともに歩けず、砕かず放置した場所が一番育っていた。

最初に考えた3つの可能性とは1に有機肥料分だが、何年も肥料は使わず、茶の木に覆われていたので草も少なく、茶の木をユンボーで根こそぎ剥ぎ取ったのだから表土と言うより大半は土中の土で、周囲よりもへこんでいる。

太い根まで生食して確かめたがまったく肥料分の雑味はない。


2つ目の可能性は、茶の木の壁に挟まれ風が当たらないということだ。

野人事務所の前の北風のあたらない小さな畑は見事な野菜マルチが出来ていたが、これほど大きくはならない。

それに事務所前の土壌構造は出来ているがこのむー茶園はそうではなく条件が違う。


3つ目の可能性は、野人のライフワークに関係するもので、科学的には未知の分野だ。

当初、その実験も兼ねて願ってもない理想的な場所を予定していたが、地主さんの事情があって変更、この場所になったいきさつがある。

その場所とは隣が「竹やぶ」で、放置された茶園にまで十数本のモウソウダケが進出していた。

そう・・「竹との協生」で、竹やぶを協生農園にしたかったのだ。

成長が最も早く、広がりも早い竹は誰もがお手上げ、畑も森も飲み込み、今や天敵のようになっている。

誰も夢にも考えないだろうが、これが最強の協生農園だと野人は確信している。

竹と畑に茶畑が加わり、一石二鳥だとはりきっていたのだ。


続く・・