子供が野菜を嫌う理由13 果物 | 野人エッセイす

野人エッセイす

森羅万象から見つめた食の本質とは

植物では野菜を中心に取りあげて来たが果物はやや仕組みが異なる。

詳しい部分までは確信を持ってはいないが、大きな違いは茎と幹にある。

木の実を食べる鳥や猿も葉は食べるが、そのほとんどは新芽に限られている。

牛や馬や象などの草食動物も草や木の新芽を好み、サボテンや茎のトゲや硬い葉は動物から実を守る植物の知恵だ。

新芽からの成長度を草と木で比べるとわかるが、草はその地の条件次第で小さくも巨大にもなる。

地表を覆う草の大切な目的の一つは土壌の浄化であり、異物はすべて吸い上げて地表に吐き出し、虫などの力で分散、消滅させようとする。

草類の葉の細胞はその入れ物の役割を持っているのだ。

だから基本細胞数は同じでも、周囲と比べてその場の草は何倍にも肥大する。

一方、数十年、数百年も生きる樹木類は丈夫な柱でもある硬い幹の先に葉を付ける。

仕組みは今一つ断言出来ないが、その葉はそれほど肥大しない。

肥料をたっぷり与えたからと言って、葉が3倍5倍に膨張するわけでもなく等倍から2倍程度だ。

しかし今度手掛ける茶葉は無肥料と施肥では数倍違うと言うので確かめて来る。

吸収した余計な成分は、枝や葉を多くつけることで分散しているとも言える。

果実も同じことで、一個はそれほど肥大せずに数を増やしている。

これが「短命の草と長寿の木」との明らかな違いで、植物の知恵とも言えるものだ。

地上で最も進化した人類が、草ではなく木の実を選ぶ体の仕組みを持った答えがここにあるようながしてならない。

石畳に囲まれた並木もそうだが、樹木類はたとえ地表が、土壌の余計なものがどうであれ、断固とした自らの形を貫いているように見える。

長寿においては藻類から始まった植物属の頂点であり、動物とは比べるまでもない。


続く・・20章まで 肉 米と・・