サトウキビ畑の矛盾 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

サトウキビ畑の収益性は厳しい。

植え付けから収穫まで1年半、1反当たりの生産高は出来次第で10万から20万、6割が肥料薬剤などの直接経費として、収益は6万から12万、平均9万前後だ。

これを1年当たりに換算すれば6万になり、米とさほど変わらない。

20反やっても120万だから効率は悪く、補助に頼らざるを得ない。

そのほとんどが白砂糖、黒砂糖の原料となるが、海外からの安い砂糖が大半を占め、価格差は数倍ある。

つまり砂糖は輸入した方がはるかに安上がりなのだが沖縄奄美のサトウキビ政策は補助によって保たれている。

東シナ海は台風銀座で木々はなぎ倒され、マンゴーやパパイヤなどの大半は温室で栽培されている。

紫外線が非常に強く、野菜は思うように育たないから畑の栽培品種は限られてしまう。

この地に適したものがサトウキビであり、農業を存続させる為に補助政策がとられている。

平地栽培において、サトウキビ以外の野菜栽培農業は成り立たない。

石垣島北部も開拓団が入り、相当な苦労の末に今の農地を切り開いた。

見渡す限り石垣牛の牧草地とサトウキビ畑が広がり、多彩な野菜栽培は見かけられない。

珊瑚礁が汚染される赤土はその大半が耕したばかりのサトウキビ畑から流れ出るものだが、

補助なしではやれない以上、言い換えれば国が海と珊瑚礁を汚染させているとも言えるだろう。

しかし補助をやめればサトウキビ畑はなくなり珊瑚は助かるが農業が衰退、人が住めなくなることもたしかだ。

珊瑚の海は熱帯魚の種類は多いが、とても漁業としては成り立たず既に消滅寸前だ。

野人は台風と紫外線の猛攻を受ける沖縄奄美の農業と漁業の復興を目指す。

農業は露地での大規模栽培は困難とされるトロピカルフルーツと一般野菜、漁業はまったく新たな道を構築する。

これが出来なければ世界を目指すなどおこがましいではないか。

バングラデーニッシュの支援さえままならない。

ムーマジックと「野原の土」作戦・・・手ごたえ十分だ。