「危険な有機野菜」という記事についての野人の所見 2 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

多様な有機を人が与えることは自然界の仕組みに反するが、耕すという名目で土壌構造を破壊することのほうがもっと反している。

耕した上に土中深く腐葉土や完熟堆肥と言う名の有機物を埋め込むことは修復不能な環境破壊以外何もなく、長年続ければ数十年、数百年にわたり元に戻らないこともあるだろう。

石油や化石は土中に密閉され、分解されずに残った有機物だ。

表土を耕せば植物は微量養分さえも十分確保出来ず、種によっては満足に生育出来ない。

生育には植物性有機、適量の動物性有機肥料と大地の微量ミネラルは必要なものだ。

耕した畑に「無肥料」と言う言葉を使うのもおかしい。

耕せば草や地表の虫や微生物は土中に閉じ込められ、結果的に不自然な微量有機肥料となり、完全なる植物にはならず雑味を含む。

肥料を人が与えた野菜よりはるかに体には良いが生命力は不十分、味にもムラがある。


人が与えずとも土壌環境さえ出来ていれば植物は自力で必要なだけ有機肥料を確保する。

崖崩れの跡などで土壌創世記に先駆者として働くヨモギやスギナ、マメ科の植物などは別にして、土壌構造と肥料なしでは満足に育たない植物の方が圧倒的に多い。

耕すことは故意に表土を破壊して土壌創世期を作るようなもので浄化能力もない。

人が肥料を入れれば膨大な土中の過剰成分であり、野菜はメタボになり地上へ排出、大半は地下へ浸透して海洋汚染が広がる。

実践して見ればわかることだが、初期造成して元の土壌環境に戻るには最低2年はかかる。

地表はともかく土中に余計な成分が無くなった時に野菜の味はまったく変わる。

雑味が消失してそのほとんどが生食可能になり、旬には甘味と旨味が強くなる、それが植物本来の姿であり、人の食として適したものだ。

真冬の生人参は柿のように甘く、晩秋の生ニラも甘く柔らかく美味しい。


山の地下水は飲めるが民家や農地の地下水は飲めなくなった。

数十年に渡り表土破壊、異物投入を続けた結果であり、成るべくして成ったものだ。

人は安全、安心を求め、無農薬、有機、あるいは無肥料を重視して野菜を作ろうとするがそうではない。

自然栽培の会社や、著名なりんごも登場、「肥料を使わない自然栽培」が強調されていた。

しかし植物は人が作るものではなく、肥料を使わなければ良いというものでもない。


この記事を見た野人の所見は・・

「気にすることはない」・・だ。

人が与える有機肥料が毒なら今の食品の大半も毒の要素を含んでいる。

さらに有機野菜を食べている人達は他に比べてはるかに健康を害していることになるがそんなこともない。

有機肥料は良くないし賛成も出来ない、それは毒だからではなく無機有機を問わず「与えること」自体が自然界の理に反しているからだ。

毒などは自然界にも人間界にもいくらでも存在、毒にも薬にもなる諸刃の剣だ。

動物性有機よりは化学肥料、それよりも何もやらないほうが良い。

野菜の成分は歴然で、腐敗の程度の実験などやるまでもない。

決して無肥料が健康な野菜ではなく、植物は自ら調達した植物性動物性の肥料を含み、それが生命ある本来の食物だ。

植物の歴史からわかるが、コケ、シダ類から始まり植物が今の繁栄を築いたのは微生物や昆虫を含む動物達と協生の道を歩き続けたからで、植物は確固たる強い意志を持って自らの力で生きようとしている。

野山と違い人の畑では与えなければ育たない、育たないのは耕して土壌構造と循環を断ち切ったからで、人が自ら招いたことなのだ。

何の問題もなく育つ野山の植物との違いは子供でもわかるだろう。

しかし、有機野菜が健康にも環境にも優しいと信じ込んでいる人は多い。

循環の仕組みを知りたい人はテーマ「大地の仕組み」を読むといい。

野人の農法講習も、土作りや野菜作りなどはなく「循環の仕組み」を教える自然観察会なのだ。


植物とは何か、歴史を遡り大地の仕組みや生き物の循環と共にその本質を知れば簡単に理解出来ることなのだが、人は本でミクロを学び、生き物の仕組みを立体的に考えようとはしない。

丹精込めて作る栽培に固執、生命の歴史、森羅万象から学ぼうとしなければそれに気付くことはないだろう。

肥料、農薬などは初めから必要なく、

「毎回耕すこと」が人間の最大の過ちで、循環の根幹と連鎖を断ち切れば、たとえ無肥料を唱えようが自然栽培、完全な植物とはほど遠いものになり、環境汚染を招くことに変わりない。

人は数千年にわたり「破壊して作る」と言う矛盾を繰り返してきた。

地球が生み出した完全な植物なしで生き残れる地上の生き物などいない。

健康、環境悪化の本当の原因は何か、あらためて考え直してもらいたい。

健康が急激に悪化したのは化学肥料か有機肥料か無肥料かではなく、本来の植物を食べる機会がなくなっただけのことで、機械化、工場化、均一規格化などにより益々植物の本質から遠ざかった科学、農学の歪に過ぎない。



表土の荒廃

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