アイナメのしゃぶしゃぶ | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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アイナメは根魚だが、岩礁と言うより砂地やゴロタ石混じりの岩礁帯を好む。

他の根魚に比べて細長く、クネクネとドジョウやナマズのような動きをする。

ウロコはないと言うくらい細かく、その皮は分厚い。

何にしても旨い魚だが、アイナメの旨さはその分厚い皮にあり、コラーゲンを大量に含むので、煮付けの煮汁を冷やすとカレイと同じような「煮こごり」が出来る。

刺身も皮を付けた「焼き霜造り」や「湯霜造り」が好まれている。

焼き霜とはカツオのたたきのように皮側を焼いて氷水で急激に冷やし中まで熱が通るのを防ぎ、湯霜は皮側に熱湯をかけて同じように氷水で冷やすものだ。

つまり刺身と加熱した旨い皮を同時に食おうと言う食い意地から生まれた調理法だ。

この刺身を熱いままポン酢などで食べるのが「しゃぶしゃぶ」で、マダイやブリなどがよく使われる。

皮が分厚くて旨いアイナメをしゃぶしゃぶにしたらどうなるか・・・

言うまでもない、そりゃあもうこの世のものとは思えない旨さで、野人はしばらく桃源郷をさ迷ったくらいだ。

しゃぶしゃぶをさらにまた氷水で冷やし「カルパッチョ」にしたら・・・

脳ミソまでが・・カルクパッチョになってしまった。

アイナメや他の根魚に限らず天然のマダイやスズキ、ハモやアナゴにタコなどのシャブシャブは、マリンビレッジに来る読者には希望すれば食べさせてあげよう。

それほど高価なものではないから心配なく。