ムー農園白菜
土壌構造によって植物の生育は違ってくる。
造成して4年目に入ったムー農園と、この夏造成した新農園の生育状況を紹介する。
どちらも石灰や肥料は一切使わない。
ムー農園は造成以来耕したことはないが、新農園は耕したばかり。
9月半ばに同時期に植えた白菜、ブロッコリー、キャベツの苗で比較して見る。
ムー農園はすべてがほぼ順調に生育しているが、新農園の白菜はすべてが虫に食われ、網の目のようになって成育が遅れている。
予想していたことだが、枯れるほどでもなく何とか育つだろう。
ただ綺麗に巻くかどうかは野人にもわからない。
だから実験として新農園には各一列しか配置していない。
新農園はムー農園とやや目的が異なり、イモやジャガイモなどの根菜類中心の農園で、掘って収穫することで結果的に耕すことになる。
土壌構造はムー農園ほど形成しにくく、周期の早い葉野菜類を副菜として考えているのでこれらの大型野菜はあくまで実験だ。
出来るようであれば一角を空けて毎年連作をするつもりだ。
植物が健全に育つ最大の要素は生命力であり、それは草の根と虫や微生物が築いた完全な構造の大地から生まれると言うのが野人理論だ。
肥料や水を与え続ければそれは単に細胞の肥大であり完全な細胞と生命力は望めない。
土壌構造がまったく出来ていない新農園のこれらの苗がボロボロになるのは循環のバランスが悪いからであり、初めから肥料と水で細胞が膨らんだ購入苗はひとたまりもないようだ。
同じ苗でもムー農園のものは多少食われているがはるかに成長が早く、日に日に葉も丈夫に変貌して行く。
ムー農園は田土、新農園は砂地と、土質の違いはあるが、ムー農園の1年目も新農園のこれらの苗と同じ道をたどり収穫は出来なかった。
ムー農園は造成して1年後にすぐ隣に3アールをさらに造成した。
同じ土質でも3年目と2年目では明らかな差が出て、2年目の畑では成長も遅く、完全な「バラ白菜」は出来ず、虫に食われた穴もはるかに多かった。
夏の干ばつにも耐久力に大きな差が出た。
これらのことから、草の根が築き上げる土壌の仕組みが出来上がっているかどうかでこれらの大型野菜の生育には明らかな差が出る。
ムー農園のブロッコリ 白菜キャベツとの混生
小松菜や人参 レタスも芽吹き
新農園のブロッコリ 上と同じ苗を同時期に植えた時より縮んでいる
耕したばかりの畑での成育の遅さ、虫に食われやすい理由は以下の通り。
1、土壌構造がなく植物本来の成長条件、生命力に欠ける
2、土中に保水性がなく水分不足
3、土中にすき込まれた草などの有機物による雑味で野菜のバランスが悪く虫を呼ぶ
4、表土に草や枯れ草が少なく虫の猛攻を受けやすい