クリタケと間違えて毒キノコ、ニガクリタケが売られて問題になっている。
山菜ブームと同じようにキノコもブームになったことがあるが、あまりおすすめ出来ない。
両者とも危険と隣り合わせだからだ。
図鑑で調べた、見た、聞いたことがあると言うことほどアテにならないものはない。
また何度か人に連れられてキノコがりをした程度で判別など出来るはずもない。
簡単に見分けられるキノコや山菜も多いが、見分けられないものに毒キノコ、毒草が多いのだ。
あれほど図鑑で勉強しても、何度もひどい目に合った野人がそう言うのだから間違いない。
成功例ばかり視察して失敗例から学ばなければ負の遺産の山を築く自治体職員同様、毒物のすべて、類似の判別法を知らなければ「たぶん」や「だろう」で食うべきではない。
つまり、すべての植物、すべてのキノコを知り尽くさない限り、新たなものには挑戦せず、確実に判別法を学んだものだけにすべきなのだ。
特にキノコはあやふやで、販売業者も間違えた程だ。
以前「森の食卓」に書いたが、キノコには「名無し」が圧倒的に多く新種だらけだ。
食毒不明も相当数に上り、県内屈指のプロも判別に苦しむほどなのだ。
昔、シロハッタケと確信を持って部下に食べさせたら彼はひどい下痢をした。
山菜に続いてキノコガイドをさせようと、お特訓をやったのだ。
「おっかしいなあ~~?」と知人で県の食菌センターのキノコ博士の元に持ち込んだ。
上から下から見続け時間がかかったが、判定は「ニセシロハッタケ」。
キノコには上に「ニセ」や、下に「モドキ」が付くものが多過ぎる。
「食毒不明ですが毒キノコです」と言うので、「あ・・・そう・・ありがと」と答え、帰り際に「あ・・そうそう、食毒は下痢」と教えてあげた。
下痢した部下には知らんぷりして、「他に何か変なもん食っただろうが」と聞いて見た。
とにかく下痢で済んで良かった良かった。
それ以来、「何でも食う」野人は、何でも・・・食わなくなった。
毒草と知りつつ味見するのと、知らずに毒キノコを食うのは天と地ほどの差がある。
2008年 9月 テーマ森の食卓
キノコの迷走
http://ameblo.jp/muu8/entry-10136735812.html