夏草が豊かな土壌を育む仕組み | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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ムー農園は毎年のように夏草を茂らせる。

理由は大地に最も重要なものは草であり、草なくして完全な土壌は築けないからだ。

地上部も大切だが、健全な循環を育む土壌構造は根の働きにかかっている。

その草の根が最も活性化するのが夏で、夏が一番重要な時期にあたる。

夏場に土壌が構築されるからこそ年間を通して豊かな産物がいただけるのだ。

夏の主役はあくまで草であり、収穫を望むなら草の邪魔にならないよう細々とやればいい。

自然に逆らわず共生すると言う概念的なものではなく、確固たる物理的理由がある。

草は一斉に生えて一斉に枯れるものではなく、季節ごとに個性を持っている生き物。

その土地、気候に合った草が生え、競合協生して毎年その様相を変えていく。

枯れて朽ちた根は微生物が分解し空洞を作り、通気性と保水性をもたらす。

空洞は微生物の住処となり、その微生物もまた生を終えれば朽ちた根と共に微量養分となる。

つまり植物性と動物性のバランスのとれた肥料とも言え、それこそ本来植物が必要とする微量養分であり、完全な植物細胞を形成するものだ。

周囲の土は根が張ることで押しのけられ強くなる。

おにぎりは周囲が硬く中ふんわりが理想だが、土壌は無数の空洞と考えると良い。

種によって深く浅く、細く太く、縦に横に網の目のようにその構造が築かれる。


現役の根も同じように伸びて行くが、空洞ではなく、柔軟で強靭な鉄筋だと考えれば良い。

形状記憶合金のようにうねの強度を保持し、保水性、通気性を保ち、微生物や昆虫を養い、植物は必要なものはすべて自力で賄っている。

自給自足のお手本のようなものなのだ。

だから野人は草に敬意を払い、これまでの人生では一番学ぶことが多かった。

人の科学でこの神業とも言える構造物が出来るかな・・

人はいまだ森羅万象の仕組みの足元にも及ばない。



協生農法大磯実験農園 管理人風馬さんの記事


大活躍の草の根穴

http://ameblo.jp/fuma25/entry-10647463476.html

草は日照りの救世主

http://ameblo.jp/fuma25/entry-10642555928.html