バッポッポ・・ | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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ハトポッポ・・・

バッポを包む葉はサルトリイバラの葉を使う。

別に香りがあるわけでもなく、身近にあって丸く丈夫で最適だったからだろう。

今でもたまに饅頭の下に削り板がくっついているのを見かけるが、この代用だ。

この辺では「イバラ餅」として売られているが、ふっくらとしたイバラ饅頭はないようだ。

バッポとは地方の方言で「餅」のことを言うのだが、分別のない野人の郷里では、この葉がくっついた饅頭も蒸しパンもまとめてバッポだった。

刺のあるサルトリイバラは昔は有刺鉄線の代用で、猿も嫌がるからこの名が付いた。

この木とノイバラが茂みになると人は侵入出来ない。

赤い実が付き、枝ぶりも良いせいか生け花や飾り付けなどによく使われている。

別名は「山帰来、サンキライ」で、昔中国で山に捨てられた老婆がこれを食べて回復、戻って来たことから付けられた名だと言う。

何ともロマンチックな名の薬草だ。

ただし根は生薬名は「バッカツ」で、バッカが付くから食べ過ぎないようにしよう。