ヘイヘイホー・・と、与作が木を切ったのではなく、野人が作った塀の話だ。
せまっ苦しい塀などに興味はないが、協生実験農園には必要だから作った。
つる性の植物には木やブッシュなどが必要だが、効率よく植え付け面積を活用する為に思案した。
市販の塀は、ブドウに十分な強度のある90mとなれば経費も労力も大変で工事が必要。
かと言って簡単な柵はつるの重みや台風に耐えられない。
ない頭で構造力学を駆使した結果完成したこの塀の総工費は4万円強。
組み立ては1日、解体は3時間で終わる優れもので、しかも何年間も果樹の重みと台風に耐えられる。組み立て式なのだが、留め具は「180円」のステンレスの針金一袋だ。
全長90mだが、たった50か所、しかも細い針金2巻きしか止めていない。
それで既に3年間も荷重や風に対する耐久力を誇っている。
材料はホームセンターで買えるワイヤーメッシュとL字鋼とブロックだ。
ワイヤーメッシュは鉄筋コンクリートの中に補強材として入れるもので、2m×1mの一番太いもので600円くらい。L字鋼は300円くらいで買え、ブロックは百円しない。
各50個くらい必要だ。
横向きに置いたブロックの中心で二つのワイヤーメッシュを合わせ、そこにL字鋼を打ち込み、その中心をステンレス針金で2回巻いて手で結べば一箇所完成。
つまり3個の材料を一箇所で留めるから省エネだ。
土中の固定は50本のL字鋼だけで、ブロックは土の平面に置くだけで良い。
一言で言うならワイヤーメッシュ2枚とL字鋼とブロックの構造から協生原理を応用した傑作構造物だ。
針金50か所を解けば解体は1時間かからず、後は片付けだけだ。
必要がなければ朽ちるまでこのまましておけば良い。
昨年秋の台風の40mの強風にも耐えて破損はない。
ヤマブドウやサルナシの大きな茂みの部分は2か所傾いたがすぐに元に戻した。
そのような部分だけやや補強しておけば十分だ。
サルナシやヤマブドウやブドウ、ブラックベリーだけでなく、周年、豆にヤマイモにゴーヤにキウリなどが順に柵を埋め尽くす。
周囲だから、植え付け面積は・・・ゼロだ。