越中ふんどし男 その後 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

その後、越中は弁護士を目指したが簡単に挫折、教師になった。

数年して茨城県の大洗を訪ねたが、学校で代わりにHRの授業をやらされた。

その日は越中の家に泊めてもらったのだが、新婚の奥さんとは冷戦中だった。

理由を聞けば・・「ばれちゃったんだ・・」と言う。

「何が・・? いきなり浮気か?」と言うと首を横に振った。

「腰が・・つい動いた」とつぶやいた。

腰が動くのは当たり前ではないか、動かないほうがおかしい。

その腰の動きを詳しく聞いて納得したが、越中はやはりバカだった。

越中は大切なお努めを、熱中するフリをしながらテレビ映画の続きを横眼で見ていたのだ。

そして悲劇は起った。

コマーシャルで音楽が流れると、察しがつくだろうが・・それに腰のリズムが合った。

クラシックギターが得意でリズム感のセンスが災いしたようだ。

それからの惨劇は語るに余りある。

野人は同情して言ってやったが、言わなければ良かった・・

「何故・・NHKにしなかったのだ・・」と。

台所で聞きながら支度していた奥さんは、その日の夕食を放棄、

仕方なく二人でカップラーメンを作った、学生時代のように・・・

越中はバカだがいつまで経っても野人の親友。

越中もまた野人をバカだと信じている。

越中は今、中学の校長先生をやっている。

「やっか~?」「ぶっとばしてやっから~」の啖呵はとっくに封印したようだ。

野人が知る限り、越中は最強の校長だろう。

ふんどし紛争       08年 4月15日

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