大量の化学肥料が海を変える | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

グレートバリアリーフではオニヒトデが激増、世界一の珊瑚礁を食い尽くそうとしている。通常の数の2千倍と言うから凄まじい。こうなれば人の手には負えないようだ。原因は海に流れ込む大量の化学肥料だと言う。リン酸などを養分として異常繁殖している。ヒトデ類はナマコ同様切ってもそれぞれが再生するから完全撤去するしかない。オニヒトデは巨大な上に棘に毒を持つからどうにもならないのだ。

地球温暖化も人間が促進させているが、海面上昇による南の島の消滅問題だけでなく、海や陸の生態系も大きく変える。グレートバリアリーフの珊瑚も、海水温が1度上昇すれば全滅、このまま温暖化が進めば60年以内にそうなると言う。

この50年で急激に文明は進歩したが、進歩したように見えるだけだろう。便利さと引き換えに負の遺産も背負い込み、人間だけでなく他の生き物の生命も縮めているようだ。同じような問題で世界で撤廃された薬物も多い。フロンガスなどもその一つで、農薬の毒性も以前より数段厳しくなっている。石炭や石油も使い尽くせば無くなることは最初からわかっているはず。戦後の公害問題での大気汚染、河川、海洋汚染も同じだが、結局、修復と対策に相当のエネルギーと時間を費やした。

物理数学で言うなら答えは最初から出ている。そこまでは予測出来ませんでしたでは済まされない。森羅万象は全てが「成るべくして成る」法則で循環している。自然界から学問も産業も生まれた。最新科学はその頂点だ。しかし人はいったい何を学んできたのだろうか。環境も健康問題も「悩み」が年々増えているのは必ず何処かが間違っているということで、その根源は「上や先」ではなく「足元」に転がっている「単純」な仕組みなのだ。人は考えるアシである・・と言うが、「対策」ではなくもう少し足の周りを見つめて考えたほうが良い。