雑草を抑えるクローバの話 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

大型のムラサキクローバー

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クローバの仲間には一般的なシロツメクサとムラサキツメクサがある。ムラサキツメクサは紫クローバとも呼ばれ、シロツメクサよりも大きく、高さ50cm以上に成長する。両方ともアルギン酸を含む山菜としても利用出来るが、食べるならムラサキツメクサのほうがボリュームがあって美味しい。花もまた天ぷらなどに利用出来る。

クローバは昔から雑草を押さえる下草として果樹園などに使われてきた。芝生の中にシロツメクサが生えてくるとあっと言う間に群生、芝生に勝ってしまう。芝生同様表土を覆うことには違いないのだがその仕組みが異なっている。芝生は土中に根を張り巡らせ増殖、多年草の根は枯れず土壌を硬く締めるが、クローバは地表に茎根を伸ばし、そこから無数のヒゲ根を土中に張って増殖する。つまり芝生と同じ条件で競合するのではなく、覆いかぶさってしまうことになる。

野人農園で最強のイチゴと喧嘩させてみたが、イチゴは破れ、クローバを撤去した。同じ地表を這うにしてもイチゴのランナーとクローバの茎根は数が勝負にならない。背丈は似たようなものだが逞しさにおいてはイチゴは適わない。クローバは一本一本抜く必要はなく、地表を指でかいて茎根をひっかけて引っ張ればイモのようにゾロゾロついてくるから撤去は意外と簡単だ。

雑草を抑えるならシロツメクサが良いだろう。種は園芸店で売っている。

ボリュームのあるムラサキツメクサは牧草としても使われる。クローバ類は豆科で、根に根粒菌を持ち土壌の窒素分を増やす。密生するから野菜類には向かないが、果樹や根菜、実野菜などの下草には適しているかもしれない。垂直に太い根は張らないから土はそれほど硬くならず、クローバを掻き分けてナスやピーマンなどを植えておけば良い。マルチ効果だけでなく、陽を遮り保水力もあるからクローバは次回の実験対象だ。イチゴや背丈の低い野菜には向かない。畑にクローバを増やす奴は野人くらいしかいないだろう。あはははは~ うまく行ったら面白い。クローバの中からナスやトマトが・・・異様な雰囲気だ。