ヤマウドの酢味噌 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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野人農園のあちらこちらからヤマウドが伸びてきた。4月初旬から中旬が新芽の旬でやや遅いがまだまだ出てくるようだ。大きな株が全部で40くらいあるだろうか、モミガラを盛れば白く柔らかいウドが収穫出来るのだが面倒でそこまでやっていない。だから土を掘って根元を切ってもこのように短い。まあ山で採取するウドもこんなものだろう。ヤマウドの旨い食べ方は昨年の春に書いたので紹介する。

写真の太くて短いウドは一本はそのまますぐにかじり、皿のウドは掘って丸一日放置しておいたものだ。甘味は消えていたが、白い根元は水に晒さなくてもアクがなくてなかなか旨い。青い新芽や剥いた皮は天ぷらや味噌汁にして食べた。ウドちゃんご馳走様。

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ヤマウドの美味しい食べ方

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春になると、冬の間活力を貯えた新芽がいっせいに芽をふいてくる。この時期、野山に入ると大地の匂いと生命の息吹を全身に感じる。この匂いごとまるかじりするのがたまらなく好きで、その代表格がヤマウドだ。ウドと言うと白くて細長いイメージがあるが、クセがなくて物足りない。山の土手から芽をふいたばかりのヤマウドの根元からナイフを入れ、土を払って皮を剥き、洗わずに白い部分をそのまま食べる。採ってすぐだとアクもなく、甘くてみずみずしい味と香りがして思わずほほがゆるむ。この味はヤマウドでないと味わえないものだ。全て採らずに来年の為に株は残しておく。ほとんどの人がこの味を知らないのだろうなと思いながら食べている。ヤマウドは採ってから30分もするとアクが出て甘味も消えていく。それまでに食べるのが贅沢で最高の食べ方だろう。山から掘ってきたウドを畑に植えておけばタイミングを逃すことなく食べることが出来る。茎の芯を生で食べた後の皮も葉も色々な料理で食べられるが、ウドは初夏まで利用出来るのに市場に流通しないものがある。それは次から次へと出てくる「新芽」だ。柔らかい新芽はアクも少なく天ぷらにして美味しく3ヶ月間くらいは十分利用できる。ウドの大木と言われるように、あっと言う間に大きくなり他の草に負けることもなく、こんな難儀なものもないが考え方次第ではこんな便利なものもない。適度な木陰を作ってくれるから畑のうねに配置して重宝している。