美味しく食べるカラスノエンドウとレンゲ | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

カラスノエンドウ

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囲まれて孤立無援のキャベツ
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ごまあえ
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カラスノエンドウは何処でも見られる野草だ。野草と言うより雑草の分野に入っている。子供の頃、カラスノエンドウの小さな豆を出して殻だけにして「草笛」を作っていた。口に含んで吹くとピ~!と言う音がするのでピーピー豆とも呼んでいた。吹き方や強さによって曲もやれる。このカラスノエンドウは山菜としてクセもなくて美味しい。天ぷらも良いがやや個性に欠ける。おひたしでよく食べていた。下の硬い茎の部分をちぎって先の柔らかい部分だけを30秒くらい塩茹でして出来上がりだ。ゴマあえが美味しい。若いサヤ豆も野生のキヌサヤだと思えば良い。豆科の植物は全て食べられ、コクがあって旨いものが多い。何処でも生い茂るクズの若葉も食べられるが、クズのツルの天ぷらの旨さはタラに匹敵する。教えた人はほとんど病み付きになった。おひたしではやはりこのカラスノエンドウともう一つはレンゲだろう。レンゲは自生と言うより田んぼを肥やす為に種を撒く事が多い。レンゲを見かけたら摘んで食べてみると良い。日当りの良いところよりも半日陰の水路などの太くて大きなものほど柔らかくて美味しい。レンゲの旨さはあの独特の歯ざわりにもある。「シャリ!シャリ!」として独特の気持ち良さがある。大きなレンゲの茎は箸の太さで高さは50センチくらいあって枝が広がっているから二株でも十分。カラスノエンドウもレンゲも花ごと食べられる。当然クズの大きな花も天ぷらや花酒に出来る。夏に咲く葛の花はジャスミンに似た香りがして、野人は車中で香りを楽しみお茶にもした。

余程邪魔にならない限り農園のカラスノエンドウや小さいスズメノエンドウを抜かない。土中に窒素を蓄え、背丈もそれほど伸びず5月までには枯れてそのままマルチになるからだ。青いうちでも邪魔なら抜かずに踏んづけたりして押し付けておくと立派な「青草マルチ」だ。土壌に穴を開けて根も枯れるから耕すことに貢献している。豆科を増やす為に実験農園全域にレンゲの種を撒いているくらいだ。レンゲはまったく邪魔にならないが、畑にレンゲを撒く人はあまりいないだろう。必ず草は生えてくるから同じ生えるならレンゲやスズメのエンドウが理想的だ。同じ食べられる豆科でもクローバーは排除している。多年草で根を張り続け土壌を硬く締めるから果樹園などの雑草抑えには向いているだろう。