人体の守りの仕組み 温故知新 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

戦国時代には難攻不落の城が幾つかあった。代表的な城は豊臣秀吉の大阪城で、次が北条氏の小田原城だろう。城作りで名をあげた津城主藤堂高虎も名城を築いている。生き物の防衛システムも城と同じで植物も動物も「外の守り」と「内の守り」が巧妙だ。それは進化するほど巧妙になってくる。植物は内部の守りが甘いゆえに外の守りが堅い。すべての植物は外皮は繊毛に至るまで油膜と微生物に守られ外部からの侵入を防いでいる。それは動物も同じで、細胞への侵入を断固拒否している。地球上のものでは外皮から細胞に侵入するものなどなく、肌に良いからとあの手この手で皮膚から入れようとするのは人間の浅知恵以外何もない。人の細胞壁はそんなことまで想定していない。

野菜の農薬は微生物をも殺し外堀を無防備にする。さらに害虫を呼び、さらに農薬を使う悪循環の元だ。

人間の外部バリヤーを通過して体内に侵入した細菌は白血球の餌食になる。昔、「ミクロの決死圏」と言う映画で、縮小された潜航艇が血液の中を潜航中、エイリアンみたいな白血球に襲われるシーンが衝撃的だったがあれと同じだ。防ぎきれないほどの白血球の群れだった。神業とも思えるような人間の守りなのだ。子供心に、これでは病気になるはずがないと感じたものだ。にもかかわらず毎年風邪はひいていた。白血球も防ぎきれないほどの細菌が侵入したと言うことだろう。今はそれがよくわかる。毎年ひいてもおかしくなかった風邪は、石鹸をやめてからこの20年近くひいたことがない。人体の外皮の守りは完璧なのだ。ひきかかったことは何度かあるし、菌が体内に侵入したのもすぐにわかる。それからがまったく違うのだ。それ以上進むことがなく翌日には何ともないから風邪薬は家にないし必要もない。侵入した菌が撃破された証拠だ。その度に白血球の凄さを実感している。色んな入浴剤で脂膜と微生物を洗い流せば、外皮や粘膜の「外堀」の守りが無防備になり、表皮のいたるところで菌は増殖する。石鹸を使うと水虫が広がるのと同じだ。口内や喉などの粘膜も歯磨き粉でバリヤーを壊しているから、いくらでも菌が侵入する。だから「内堀」で頑張っている白血球もギブアップするのだ。やっつけてもやってくてもキリがなく、ロード・オブ・ザ・リングに出てくる怪物のようなものだ。人体の守りは秀吉が築いた大阪城のようなもの。家康に外堀を埋め立てられ、淀君の浅はかな思惑で強力な白血球である武将は解散、家康と和議を結んだ。そして大阪城はいとも簡単に落城した。赤子の手を捻るようなものだった。人もそこから学ぶべきだろう、それが温故知新だ。