薬で胃を傷めない方法 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

犬も猫も狸も豚も地面の食べものに土やおかしなものが付着していようが平気で食べる。中には異物もあるだろうがその度に腹痛など起こしていたら食事にならないのだ。砂や石は未消化のままウンチにすれば済む事で、毒物以外なら何でも食ってしまう。時にはフンを食べるのも見たことがあるだろう。猿やチンパンジーも果物をわざわざ洗って食べるはずもない。動物の胃とはそのようなものだ。異物が入るたびにうずくまっていたら生命維持活動など出来るものでもない。鶏は「砂肝」と言うように、砂や石ころを溜めて臼のように利用している。これらのことから、人間の胃も彼らよりは繊細になっているだろうが、毒物でもない限りいちいち反応などしていられないと言うのが「本質」だ。例え小さな錠剤であっても化学物質であり胃にはよくない。しかしそれをカバーする機能を生き物は持っているのだ。添加物など化学物質を体内に入れるのは日常茶飯事だ。異物を身体は必ずどこかで体内に出そうとする。それが食物繊維や酵素の働きだ。腸内のものは食物繊維で、中に入れば酵素が分解したり汗や尿と共に体外に排出する。マムシの毒も直接血液に入れば有害だが、食べればただのタンパク質だ。酵素がアミノ酸に変えて栄養分になる。消化酵素は唾液や内臓のいたるところから出ている。唾液の重要性は消化酵素だけではなく、粘膜の修復や化膿を防ぎ、痛みも和らげるのだ。どんなに噛まずに飲み込む動物もその仕組みは同じで大量の唾液を出す。だから人間から見れば信じられないようなものを食べてもケロリとしているのだ。唾液が正常なら、人間も余程の毒物を飲まない限り胃はビクともしない。自然のものならともかく、人が合成した純度の高い化学物質は胃壁を傷つけるだろう。その為に酵素が働き修復して痛みも抑える。そうならずに気分悪くなるのは酵素が働いていない証拠だ。つまり唾液が正常ではないと言うことなのだ。唾液の機能を狂わせるものはいくら考えても歯磨き粉以外になく、歯磨き粉をやめれば少々の薬での胃もたれは解消する。薬の成分によっては完全とは言い切れないが、少なくとも今よりははるかにマシになるだろう。

この理論を書いたのは読者からメッセージが届いたからだ。ある病気で毎日同じ薬を飲み続けていたが、その度に胃がもたれて気持ち悪かったのが、歯磨き粉をやめた途端にピタリと治まり、それから一ヶ月飲み続けているが胃は何ともないそうだ。唾液の機能が正常に働けばそれが当たり前だろう。野外で多様なものを洗わずに食べる動物が、異物を飲み込むたびに胃の調子が悪くなるのでは自然界では生きて行けない。