夏休み最後の日 | 野人エッセイす

野人エッセイす

森羅万象から見つめた食の本質とは



この夏最後の日、自分で釣った魚を真剣にさばく子供達。30分もやると手馴れたものだ。ウロコと頭を落とし三枚におろす。身は天ぷらに、骨は素揚げにして骨せんべい。数十匹をさばいてランチタイムだ。日常は刃物を使うことも魚をさばくこともないだろう。覚えておくと必ず役に立つ時は来るはず、日本人は海洋民族なのだ。小さい兄弟二人は、お母さんと交代もせずお父さんと3人で黙々とさばいていた。お母さんは「オホホホ~!楽ちんでいいわ~」と笑顔を絶やさなかった。

野人の小学校の頃は年中刃物を使っていた。鉛筆削りだけでなく海山の必需品だったのだ。何を作るにしてもナイフが必要で、失敗して手も足も切った。ナタもモリもヤスリも砥石も使いこなしていた。今の子供たちは可愛そうだ。

夏休み最後の日は、やることは決まっていた。「宿題一夜漬けの日」、言葉を変えれば「13日の金曜日」「仏滅」「地獄の黙示録」だった。夏休み最後の日の楽しい思い出はない。