野菜をもって草を制す レタスマルチ | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

草だけでなく野菜で草を抑えることが出来る。レタスマルチで草の成長を抑えられる。早春に表土をレタスで埋め尽くせば、草が芽吹く頃には光が当たらず成長出来なくなる。サンチュやサニーレタスが適している。ただし市販のようなサイズには出来ない。間隔をあけずに密生させるからだ。レタスは同じように育つはずもなく必ず優劣がある。飛び抜けたものから順番に収穫してゆく。するとそこがギャップになり光が当たるから次のレタスが育つ。そうして早春から初夏まで太陽が当たる事はないから草が伸びない。遠慮がちに隙間から伸びたとしても、元々レタスは半日陰を好むから抜かなくても影響もない。気になるなら6月に一度レタスの高さで刈れば良い。同時期大量収穫ではなく、サイズが小さく、長期にわたって収穫することになるから普通の流通は出来ない。しかし間引きして捨てる事もなく、蒔いた種は全て収穫出来る。野菜の原種は山菜であり、山菜の本質は若いほど旨く、猿も鹿も新芽しか食べない。美味しくて健康な野菜の流通方法は別に考えれば良い。それにレタスの仲間に肥料はいらない。同じキク科のヨモギやヨメナ、ノコンギク、ハルジオン、ヒメジョオンなどは肥料のない荒地で育つ。肥料を与えれば早く育つが水っぽく膨れて、本質を失い虫の猛攻を受ける事になる。キク科の植物は虫とは無縁のものなのだ。レタスは硬い通路の土壌でも遅くはなるが立派に育つ。耕さず、肥料もやらず、水もやらず、草にもさほど悩まされず、虫にもやられず、こんな優れものの野菜はない。しかも180円の袋に種が1200粒も入っている。鳥も食べ辛いほどの小さな種だ。毎年、種をばらまくだけでそのほとんどを収穫している。まったく経費も手間隙もかからないのだ。レタス、サニーレタス、サンチュ、サラダ菜、グリーンレタスと、全種の種を大量にばらまいている。専用のうねもなく、草を抑えるレタスマルチとして、陽光から表土の微生物を守り、表土の乾燥を押さえる役目として、他の野菜の下草代わりに配置しているから一石四鳥だ。