22歳の別れ 色あせた写真 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは


伊勢正三の歌に「22歳の別れ」がある。

写真は22歳の時のもので、打ち合わせ中に古い図鑑の中にはさまっていたもので随分色あせていた。

雑誌社の編集長がとても気に入って持ち帰り、スキャナーで画像に保存してくれた。

昔からカメラも持ってなかったが、もらった写真も保存する習性がなくて押入れや段ボールの中やあちこちに散らばっている。


大昔の写真はセピア色。セピア色と言うのはフランス語で、茶色にくすんだ色は「モンゴウイカ」の背色を例えたものだ。

ちなみに口紅の「ルージュ」は、フランス料理によく使われる虹色の魚「イトヨリ」から来たものだ。


左から二人目が当時の野人で全員体育会の親友達だ。

左右の二人は180cmの巨漢で体重も80kを超えていた。

野人が一番スリム・・で174cm65キロだったが腕相撲は一番強かったな。

当時は握力も80キロを超え、3本指で逆立ちして腕立て伏せや歩行が出来たが今は中高年だから無理だ。


場所は静岡市の日本平。

4人で色んなところへ行ったがいつも真冬でも裸足に下駄だったから当時でも異様な4人組だった。

卒業後も交流があったが右の巨漢男は大酒飲みがたたり42歳で急死した。

100キロを越えていたものだから棺桶を担ぐ時に重くて重くて、皆で「最後まで人に迷惑かけやがってこの野郎!」と毒づいた。

笑いが渦巻く派手な葬儀だった。

親族の勧めで最後まで残り骨を拾ってやったが、彼は皆に愛されて幸せな人生を送れたと思う。

亡くなった翌日には会社の友人達が彼の家に押しかけ「証拠隠滅」をはかった。

そして奥さんには見せられないたくさんの物を回収したらしく、その苦労話をさんざん聞かされた。


それから年に一回、真冬に海の上でカレイ釣りをしながら船上で牡蠣や魚を焼きながら故人をしのぶ酒盛りをやっているが、ほめるよりもけなすことのほうが多い。