団塊の世代 自給自足への道 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

年金問題に高齢者の医療問題が盛んに取り上げられているが、これからさらに団塊の世代が仲間入りしてくる。長い間第一線で日本経済を支えてきた世代は何処へ向かうのだろうか。第二の人生に生き甲斐を求めるのか、それとも好きな事をして悠々自適に暮らすのか、いずれにせよ団塊の世代が相変わらず日本の行く末の鍵を握っていると思っている。視点を変えて見れば、世界の最先端を突っ走ってきた頭脳が野に解き放たれるのだ。スピリッツも今の若者とは比べ物にならないくらい逞しい。現場に残り後進の指導も良いだろうが先頭には立てない。時代は移り変わって行く。また、ゴルフや趣味三昧で面白可笑しく生きて行くとも思えない。60歳と言えばまだまだこれからだ。束縛から開放されてやっと自分の意思で行動出来ると闘志を燃やしている人も多いはずだ。そして人生の総決算となるようなライフワークを模索している、それが団塊の世代ではないだろうか。

そこで考えて欲しい事は、自分達がもたらしたものは「大いなる遺産」であることには違いないが「大いなる負の遺産」も残したと言う事だ。それらの「修復」に一肌脱いでもらいたいと思っている。人間いくら頑張っても何年も生きられない。男として覇気があるなら自分達の子孫も含む後世代の為に何が出来るかを考えて欲しいと願っている。負の遺産とは言わずともわかるが、今の世の中で問題になっている事全てだ。健康、教育問題など挙げればキリがない。合理化して現在の流通形態を作ったのは良いが、国内の自給率は低下、一次産業は衰退、農漁村の過疎化問題を引き起こした。生命力、養分の不足した野菜が主流になり、残留農薬も表面化、健康問題になって世の中を騒がせている。その結果、世界的な環境汚染と温暖化。これが最大の「負の遺産」だろう。自らの足で大地を巡り、足元を見つめてもらいたい。そして自分に出来る事を見出して欲しい。日本だけでなく地球全体が病んでいる。石油に代わる安全なエネルギーも大切だが、同時に大地と海の修復も大切だ。それが出来るのは自由に動ける団塊の世代以外にはないと信じている。

「自給自足」は最も遠い男の夢。男なら一度は憧れるがあきらめも早いと言うことだ。しかし絶対にそんなことはない。簡単とは言わないが知恵を使えば誰にでも出来るもの。何万年も人はそうして生きてきたのだからその遺伝子は受け継いでいるはず。年金もあるから当面の生活の心配はないはず。まずは自分達の食べものを確保してみたらどうだろうか。自然の恵みはこれからの最大の不安である健康問題を改善する。農業、漁業にとらわれず「素人農林水産業」をやれば良い。行き詰まった農村漁村に代わって産業を復興してもらいたい。既成概念にとらわれない発想と創造力とパワーは持っているはずだ。それが現状を救う唯一の道だと思っている。希望者にはいくらでも自然界の自給マニュアル、活用術、循環農法を公開する。680万人の団塊の世代の内、100人に一人でも過疎化した農山漁村に住めば先が見えてくるはずだ。別荘と違い、幾らでも家も畑も空いているから経費もかからない。セカンドハウスとしてトライもし易い。戦国時代、先鋒も栄誉なことだったが「しんがり」も重要な役割だった。浅井朝倉連合軍の挟撃にあった信長軍の撤退時、自らこのしんがりを買って出たのが羽柴秀吉、そこから天下に躍り出た。