武蔵を待つ小次郎は苛立っていた
「おのれ~!武蔵 カニのエサにしてくれる・・・」
やがて 沖から小船が近づき 武蔵が浜に降り立った
「ハロー ミスタ ササキー ディデューウェイト? アイム・・ゾ~リ」
「人をさんざん待たせて・・何だ! それは?」
「お主知らぬのか・・待たせて悪かったと申したのだ」
「おのれ~! 南蛮語でこの小次郎をたばかるか!武蔵!」
「南蛮語ではない エネルギッシュ語と言う」
「ヘイ!コジロー! グローアップ モア~~!」
「何と申した・・・・?」
「もっと成長せよ・・・・だ」
「武蔵~! 拙者を愚弄するか! 貴様・・」
「愚弄スル~・・・ではない グローアップ・・・だ 発音が悪い」
「問答無用! 覚悟せい! いくぞ!」
「アイム・・アイム ストリップ・・俺は強いぞ・・」
「え~い!やかましいわ 死んじゃえ!武蔵!」
言いざま・・・小次郎の秘剣「若いツバメ」が一閃・・
勝負は一瞬で決まった・・・小次郎の剣が武蔵の首を・・
いや・・首は見えないが 足が・・・
小次郎の股間を一撃していた・・剣は空を切っていた
武蔵は向こう向きにしゃがみ込み 後ろ足を突き出していた
小次郎の体が崩れ落ち 悶絶・・・脂汗を流しながら小次郎が・・
「武蔵・・最後に教えてくれ その技は・・?」
「未熟なお主にはわかるまいが・・シークレット スキル・・」
「すなわち秘技 キックオフ・・と言うものじゃ」
「恐るべし・・キッコーマン・・どこの技じゃ・・」
「エネルギッシュの・・蹴玉の技・・・」
「しばらく夕日でも眺めておれば治る さらば小次郎」
武蔵の船が遠ざかるのを小次郎はいつまでも眺めていた
沖からは・・武蔵のわけのわからない歌がいつまでも・・