三日月を追いかけて・岩出山出陣編 5 | エメラルド

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そろそろ岩出山の隠密報告完結させなきゃー。


前回までのあらすじ。

腕時計つけたままの、半端なカーネリアン雑兵であった。



兜を目深にかぶり、まっすぐ前を見る。

一体自分はどんな顔して歩いてるんだろうかと思う。

あくまで真面目なつもり、そして緊張。

だって私、人前に出るの苦手なんだもん。

それじゃあ、何で甲冑まつりにあちこち出てるんだって言われそうだけど。

出たいから出るとしか言いようがない。


本陣前を通る。

政宗公の像や、お偉いさんたちが詰めている。

去年はここで、みんなで抜刀してポーズとかやったんだけどな。

今年は、何事もないように通り過ぎてしまった。

後から来る後陣は、何かやったのだろうか?

(去年は、後陣だった)


本陣前を過ぎると、だんだんと人は少なくなってくる。

商店街というより、普通の住宅になってきてる。

それでも、手を振ってくれてる人はいるわけで。

まだまだ衆人環視は続く。


しかし、角を曲がればもう行列は終了。

歩いてみると、あっという間。

(待ち時間の方が長かったみたい・・・)

騎馬武者の方々は、伊達家霊廟に参拝とかするのかもしれないけど。

私たち甲冑武者は、狭い駐車場で迎えのバスが来るのをただ待つ。


ここでも、しばらく待たされた。

せっかくなので、抜刀練習してた。

すらっと抜けて、ちょっとコツをつかんだような気がしたんだけど。

やっぱり気のせいのようだった。

鎧着ると、手が届かなくなるのよね。

引っかからずに、すらっと抜けるといいんだけど。


バスが着たので、名残惜しいが刀も背旗も外す。

甲冑武者が押し合いへし合いバスに乗り込む。

そしてまた、岩出山支所へ。


3階大会議室に向かい、草鞋を脱がせてもらいながら、刀を返す。

バスの中でも大事に抱えてきた刀だけど。

バイバイ!また来年よろしくね。


会議室に入り、順に鎧を脱がせてもらう。

いや、脱ぐのぐらい自分でできるのではないか?

あれれ、兜の緒が絡まっちゃった。

あらら、ここって外しちゃってよかったんだっけ?

あれえ、鎧の脇の紐ほどけてるじゃんよぉ。

(脇がほどけたまま歩いてたのか、私)


そういえば、去年の真田まつりでも脇の紐がほどけてて、見かねた重長殿が直してくれたんだっけなぁ。

懐かしい思い出だわ・・・しみじみ・・・

そんな思い出に浸っていたら、係りの人が来てくれた。

ほつれた兜の緒や、自分で何とかしようとしてかえってわけがわかんないことになった鎧をささっと脱がせてくれた。

ほんと、甲冑着付けの人ってすごいわ・・・しみじみ・・・


あとは、女子だけ和室に移って大っぴらにお着替え。

着るのは大変だけど、脱ぐのは簡単。

汗まみれの素肌さらして、ほっと一息。

この後どこに行くとか、どこに泊まるとか、次の祭りはとか、そんな会話が飛び交ってる。

うん、女子高の更衣室みたいな雰囲気かも。


着替えもすべて終わって、ポカリもらって会場を後にした。

またメインストリートの伊達な市に行ってみようかとも思ったけど。

もう、伊達武も自前甲冑の方々もいないだろうからなぁ。

日も短いし、帰るか・・・


ほんとは、岩出山もちゃんと観光してみたいんだよね。

伊達家の史跡、いろいろあるはずだし。

できれば、お泊りしてのんびりとね。

そういえば、岩出山にも大崎八幡てあるはずなんだよなぁ。

仙台の大崎八幡にも行ったことないんだけどさ。


そんな話をしながら、Jニコさんを乗せて車を走らせた。

帰りも、愛武のCDかけながら。

いぇーい!とか、若政宗くんのセリフ言いながら。

(同乗者がいる時は、危険運転はやめましょう・・・)


仙台でJニコさんを降ろして、さてどこ通って帰ろう。

もう、瑞鳳殿はとっくに閉まってる時間だけど。

瑞鳳殿目指して行けば、迷わず帰れるはずだし。

もしかして、たまたま開いてたりしないかなぁ・・・

というわけで、瑞鳳殿に向かうことにした。


しかーし、あたりはもう暗くなり始めていた。

多分、知ってる道を通ってるはずなのだが、よくわからない。

あ、車線変更し損ねた。

曲がるべき交差点を曲がれなかった。

次の角でUターンしようか。

あれ、この道って抜けられないの?

そんなことやってたら、大崎八幡なんて書いてあるとこに出た・・・

瑞鳳殿と全然方向違うじゃないかーっ!!


もしかして、大崎八幡に行ってみたいとか言ったから?

もしかして、政宗公が導いてくれた?

でも、暗くてわけわかんなくて、参拝なんてできませんよー。

ともかく、方向転換して、また瑞鳳殿を目指しつつ。

でも、時間も心配だったから、結局、瑞鳳殿には寄らず家に帰ったのでした。



岩出山には恩義があるからまつりに出る。

なんて言ってたけど。

果たして、これで恩を返すことになっているのだろうか?

着せてもらってるだけ。

行列をただ歩くだけ。

愛想よくPRするわけでもなく。

ポーズとかしようとしても、どこか滑稽な私。

かっこいい殺陣なんてできそうにない。

そんなのでいいのかなぁ・・・

なんて、ふと思う。


結局は、自分が甲冑着たいから。

当時の人の気分になってみるとか。

自分で体感して重さや感覚を実感するとか。

その時代に思いを馳せるとか。

そしてやっぱり、憧れの人に少しでも近づきたいとか・・・

だから、まつりを利用して甲冑着てるんだよね。


恩義というのは、大義名分かもしれない。

それでも、大義名分があった方が動きやすい。

それならば、甲冑着ることで自分がやれることは何だろう。

そう考えると、やっぱりこういうレポなんじゃないかなーと思う。

従軍記者じゃないけれど。

自分の体験した楽しいことを、少しでもお裾分けできれば幸い。

それこそ、真田家の隠密の仕事みたいじゃなーい!


というわけで、少しは行った気分になっていただけましたでしょうか?

これにて、真田の雑兵伊達家潜入日記を終わります。