図書館から借りてきた、松谷みよ子さんの本2冊。
「ちびっこ太郎」は創作民話で、「ふたりのイーダ」は原爆にまつわる小説。
ちびっこ太郎は、図書館で見るまで知らなかった。
「龍の子太郎」や「まえがみ太郎」は知ってたけど、それに続く作品らしい。
各地の民話をいろいろ紡ぎ合わせたみたいなお話。
龍の子太郎とは、また違う雰囲気だった。
タツタロの敵は、権力者の象徴としての鬼だったり、厳しい自然環境だったり。
でも、チビタロの敵は、権力者としてそのままお殿様だったり悪家臣だったりする。
火の鳥に乗って刀を振り回して――なんて絵としてはすごくかっこいいんだけど。
物語としては、やっぱりタツタロの方が好きかなー。
それでも、チビタロも胸躍る冒険譚であることに変わりはない。
西洋ファンタジーにも負けないくらい、日本の民話もかっこいいんだぜって気がする。
モデルとなった韮盾のお城ってうちの県にあるらしい。
そうだったのか!で、どこにあるの?私ももっと勉強しなくては。
ふたりのイーダは、小学生のときも読んだ。
原爆にまつわる悲劇を、小学生の男の子が少しずつ知っていくお話。
この前読んだ、「死の国からのバトン」の前の話で、主人公は同じ男の子なの。
幼子の描写が巧みで、創作民話にも通じるような雰囲気。
その分、悲劇は痛切に感じられる。
昔読んだとき、これはぜひ広く世に伝えなくてはいけない話だと痛切に思ったけど、結局伝えることもなく。
うちの息子たちは、こんな本読まないんだろうなー(読ませろよ、私)
今、こういう本てあまり書かれないんじゃないだろうか。
こうやって図書館で遭遇して、そして偶然手にとって読むということがなければ、伝わらないんだろうか。
焦燥感と寂寥感とともに、せめて日記で紹介しておこう。
- 松谷 みよ子, 司 修
- ふたりのイーダ―子どもの文学傑作選