銀閣寺だな。
いや、庭園の方ではなく建物の方な。
……と申すのも、実は京都に親戚が居てな。
この方はいわゆる
“生臭坊主の極み”（褒め言葉）
みたいな方でな……私は大好きだ。
その方が、確か……90年代終わりか00年代頭辺りに
「昔、銀閣ですき焼きを食べた。」
と自慢げに語っておってな。
私の記憶が確かなら、60〜70年代頃の話なんだそうな……。
銀閣こと慈照寺は、調べたところ
1900.04.07:重文指定
1951.06.09:国宝指定
だそうだから、重文どころかバリバリの国宝の中で食事を……しかも、すき焼きだから火を起こしていたワケだ。
でな……この当時って、付き物だろ？
食後に一服ってさ？
……金閣寺の放火犯と並ぶ銀閣寺の失火犯として我が親戚は歴史に名を連ねていたかも知れない。
それを思うと、まことにおおらかな時代であったのだな。
あれから数十年。
21世紀となり、何かとコンプラ厳しい令和の世の中。
更には世界遺産にまでなってしまった銀閣寺の中ですき焼きなんてマズ無理だが、美味いすき焼きをツツキながら伏見の酒をグイッとやって、月と庭を眺められたら最高であろうなぁ。
