さて、話はわります。
 こう決戦場けっせんじょう第7年に突入してからのわずか一月足らずで世界は大動乱の時代というべき様相をていしてまいりました。
 アメリカのトランプだいとうりょうはこれまでも不当な関税を武器に圧力がいこうを展開しておりましたが、昨年12月に公表したこっあんぜんしょうせんりゃくでその方向性が示された通り、トランプだいとうりょうの極めて独善的どくぜんてきで力による現状変更もいとわないがいこうあんぜんしょうじょういっした姿せい鮮明せんめいとなりました。
 新しいこっあんぜんしょうせんりゃくはアメリカの実利を最大化する「アメリカファースト」をかかげ、アメリカ大陸とその周辺海域の西半球におけるアメリカの優位性を回復することを最優先課題とし、ちゅうごくやロシア等の敵対勢力のぐん拠点の設置や支配を阻止するためにはぐん力も用いることをも強調している。
 そして「ギリシャ神話の巨人アトラスのようにアメリカがすべての世界ちつじょを支える時代は終わった」と宣言すると共に、どうめいこくにはより多くを分担し、せきにんを負うことを明確に要求しております。
 この「こっあんぜんしょうせんりゃく」のもととなる発想は、1823年にアメリカの第5代だいとうりょうジェームズ・モンローが提唱した「南北アメリカ大陸とヨーロッパ大陸間の相互不干渉」と「アメリカ大陸はアメリカの勢力圏」といういわゆる「モンローしゅ」にもとづいている。
 これは当初「おうしゅうの植民地化から南米の独立を支援する」内向きな孤立しゅでしたが、その後1904年に第26代アメリカだいとうりょうだったセオドア・ルーズベルトがモンローしゅを拡張し「西半球においてアメリカはこくさいてきな警察官として振る舞う権利と義務がある」と宣言し、近隣諸国の内政にせっきょくてきに介入することを正当化したのでした。いわゆる「こんぼうがいこう」と呼ばれているものです。
 そして、トランプせいけんこっあんぜんしょうせんりゃくはこれをさらに進化させたもので「トランプ版モンローしゅ」あるいはトランプのファーストネームであるドナルドを掛け合わせた「ドンローしゅ」ともいわれ、海外メディアの中にはこれを「こんぼうがいこうの復活」と評する論調ろんちょうもあります。
 このドンローしゅが実践された最初の事例が本年1月3日に行われた米軍によるベネズエラへのぐん作戦とマデューロだいとうりょうの拉致であります。
 トランプだいとうりょうは麻薬密輸を理由に奇襲的にベネズエラへのぐん作戦を行い、わずかの時間で同国のだいとうりょうとその妻を拘束し、アメリカに移送して裁判にかけた。
 報道によれば、しゅうしんけいが課される可能性もあるという。
 その後の記者会見でトランプだいとうりょうは「ベネズエラにおいて適切なせいけん移行ができるまで我々が運営する」といい、世界最大の埋蔵量を誇るベネズエラのせきをアメリカの大手せき会社が開発し、世界に販売すると主張した。
 これまで反米のベネズエラに対してちゅうごくが多額の資金を貸し付け、ベネズエラはその返済を原油で行っていましたが、アメリカは今般のぐん作戦でちゅうごくの影響力を排除してそのしゅどうけんを握ろうとしたものとおもわれる。
 確かに、マデューロだいとうりょうどくさいたいせいを敷き、反たいせいの者を拷問ごうもんしたりしてベネズエラこくみんを恐怖で支配していた。
 だからといって、こくさいほうに違反して圧倒的なぐん力を行使して、主権こっに対して力による現状変更を行ったらこくさいちつじょほうかいいたします。
 トランプだいとうりょうはベネズエラへの介入を「どくさいからの解放」「民主化」などとうたっていますが、ベネズエラのせきげんを獲得する目的を隠そうともしない。
 このベネズエラへのぐん行動の直後にトランプだいとうりょうはコロンビア・キューバ・メキシコ等にも脅しをかけ、ことに、北欧デンマークの実領グリーンランドに対してはあんぜんしょうじょうの理由とレアアースなど豊富な鉱物こうぶつげんが眠っていることもあってか「のどから手が出るほど必要」と同国を取得する強いよくを表わしている。
 このグリーンランドの領有をめぐり、トランプだいとうりょうは一時武力行為も排除しない姿せいを示したり、グリーンランド領有に協力しないおうしゅう8か国に関税をかけようとするなど強硬姿せいを取ってきましたが、今後同国を獲得するためにあらゆる手段を講じてくるとおもわれる。
 トランプだいとうりょうはニューヨークタイムズのインタビューで「私にはこくさいほうは必要ない」ごうしておりましたが、今後アメリカがこくさいはんを無視して力による現状変更を繰り返していけば、ぐんどくさいこっちゅうごく・ロシアはそれを奇貨きかとしてアメリカと同じようにそれぞれの周辺国などを勢力圏と位置づけ、力による現状変更を進めるにちがいない。
 それはまさに、19世紀後半の帝国ていこくしゅ彷彿ほうふつとさせる弱肉強食の時代であります。
 しかも恐るべきことは、以前とは比較にならない大量破壊・殺戮さつりくをもたらす21世紀の新型兵器が開発されていることであり、この世界の大動乱が前代ぜんだいもんだいとうじょう、すなわち、核兵器を使用した第三次世界大戦たいせんにつながっていくのであります。


令和8年 1月24日 1月度 総幹部会 浅井会長指導

令和8年 1月26日 1月度 男子部班長会 行成総男子部長指導