もう使つかいしょ』にたまわく
 一切いっさいだいなかに、くにほろびるが第一だいいちだいにてそうろうなり。
 さいしょうおうきょういわく「がいなかきわめておもきはこくうしなうにぎたることし」等云云とらうんぬん
 もんこころは「一切いっさいあくなか国王こくおうりてまつりごとしくして、くにこくやぶらるるが第一だいいちしきにてそうろう」とかれてそうろう



 只今のしょは、けん元年がんねんだいしょうにんさまの御年54歳の時の著作ちょさくであります。
 でこの年には、だいもうから正式の使いが来たんですね。
 実はこの前年に第1回のもうの襲来があった。そして、翌年もう使しゃほんくにつかわした。
 ところが、鎌倉かまくらばく乱暴らんぼうにももう使しゃを竜の口でくびっちゃったんですね。

 「ほんくにを滅ぼさんとするげんきょう邪法じゃほうりょうかん等の悪僧あくそうにある。
 この者達のくびらずして、罪のなき、とがのなきもう使しゃくびった」

 このことを御覧になってだいしょうにんさまだいもうの責めは必ずある。もう一度ふたたびある」ということの御確信の下にだいを著わされたのがこの『もう使つかいしょ』であります。

 「一切いっさいだいなかに、くにほろびるが第一だいいちだいにてそうろうなり」と。

 「こっにとって何がだいだといって、くにの亡びる事ほどのだいはない」とおっしゃる。

 そうですね、こっにとってぜん災害さいがいとか、あるいは財政ざいせいたんとか、あるいは食糧しょくりょう危機ききとかだいりゅうこうびょうとか様々なくににとって恐るべき大難があります。それらは極めてじゅうだいことでありまするが「何がだいかといって、こくしんりゃくされてこのくにが亡ぶる事ぐらいじゅうだいことはない」と。
 なぜかくにが亡べば、こくみんの命及び財産ざいさんただちに危機にひんする」ということであるからです。全部のこくみんが命が危うくなる。財産ざいさんが危なくなるという危機ききひんするから

一切いっさいだいなかに、くにほろびるが第一だいいちだいにてそうろうなり」

おおせになったわけであります。

 「さいしょうおうきょういわく『がいなかきわめておもきはこくうしなうにぎたることし』等云云とらうんぬん
 もんこころは『一切いっさいあくなか国王こくおうりてまつりごとしくして、くにこくやぶらるるが第一だいいちしきにてそうろう』とかれてそうろう

さいしょうおうきょうを引いておられます。
 このさいしょうおうきょうというのは『りっしょうあんこくろん』に金光こんこうみょうきょういわく」とありましょう。あの金光こんこうみょうきょうと同じですね。
 そのさいしょうおうきょうには

がいなかきわめておもきはこくうしなうにぎたることし」

いてある。

 「せいとして一番やってはならぬことは、このくにを滅ぼしてしまうことである」と。

 このきょうもんこころについてだいしょうにんさまはこうおおせになっておられる。

「『一切いっさいあくなか国王こくおうりてまつりごとしくして、我がくにこくやぶらるるが第一だいいちしきにてそうろう』とかれてそうろう

 「こっけんりょくにぎる者が、間違ったせいをして、我がくにこくしんりゃくさせてしまう。
 これこそせいとしてのあくなかだいあくである」

ということおおせになっておられるのであります。


平成22年 1月10日 浅井先生指導