割烹嶋村(日本橋)の金ぷら重 | 夢酔亭主人のオムライス食日記

夢酔亭主人のオムライス食日記

上野、浅草など下町中心にオムライスや美味しいランチの食日記。

いまや世界一といってもいいほど世界中の食が集まる東京。
 
しかし、江戸時代のお江戸はもっとすごいグルメの町だったのだ。
 
人口比で見ると今の東京以上に飲食店が多かった。
 
庶民の家の台所はかまどとへっついだけで、ごはんと汁しか作ることしかできない。おかずはどうしたかというと、家では作らず総菜を買って食べていた。
 
鮨、天ぷら、鰻、蕎麦はお江戸の4大郷土料理だが、いずれも外食から発生した文化だった。

 

  お店紹介

 
日本橋にある「割烹嶋村」さん。
 
前回と比べるとお店も新しく建て替えられモダンな造りになった。
 
創業は嘉永3年、と言ってもピンとこないでしょう?
 
私もピンとこないほどの昔です。
 
そればかりか、江戸城西の丸の御用料理番も務め、教科書で習った「桜田門外の変」の絵にもご先祖様が描かれてる。
 
オープン2番手でカウンター席にご案内。
 
江戸時代も後半になると現在のようなグルメブームで、ミシュランならぬ『大江戸料理屋番付』。
 
ここでは最高ランクの店にランクインされてる。
 
よく見ると「嶋村」の右上には、落語にもなった浮世小路の「百川」の文字も見える。
 
黒船のペリー一行を接待した伝説の名店だ。

 

  お品書き

 
ランチメニューは定食から会席まで幅広く、値段もリーズナブル。
 
名物の金ぷら重を注文。
 
とりあえず、何かに乾杯!

 

  お料理登場

 
蓋が閉まらない。海老が納まりきれないようだ。
 
●金ぷら重(1,300円)
 
江戸時代、天ぷらは屋台が中心だったが、幕末近くになると高級料亭でも出されるようになり、屋台の天ぷらとは違って卵黄だけ使うため「金ぷら」と呼ばれたらしい。
 
時の将軍様も召し上がったという金ぷら重。
 
他にも、卵白を使った「銀ぷら」もあったらしいが、こちらはほどなく消滅したらしい。
 
黄金色に輝く金ぷらはお重からはみ出しそうな海老が2尾。
 
それではいただきます割り箸
 
お椀は歴史を感じる上品な味。
 
漬物は出来合いのもの。
 
立ちあがれ、金ぷら!
 
海老や魚など魚介類を揚げたものを天ぷら、野菜を揚げたものを精進揚げと区別するが、今ではいい加減で茄子の天ぷらなどど変な呼び方もまかり通っている。
 
サクッとした衣とプリッと弾ける海老をまとめるのは、甘さ控えめのキリッとしたつゆ。
 
浅草や、上野の老舗もそうだが、衣はしっとり。
 
最近はサクサクが好まれるが強い火力が必要で、江戸の昔はそんな火力はなく、低い温度でじっくり揚げられていた。
 
つゆが沁みたごはんの美味さも格別。

 

江戸の料理を再現した会席もあるので、時間に余裕がある時はぜひ食べてみたいものだ。
 

美味しい食事をいただき感謝をこめて
「ごちそうさま!」

 

本日の夢ちゃん動画コーナー 

 

 

 お店情報

・割烹 嶋村
・東京都中央区八重洲1-4-10
・https://kappou-shimamura.gorp.jp/
・営業時間 11:00~14:00/16:30~21:30
・店休日 日曜日