★★★/吉野鮨(日本橋)のにぎり鮨 | 夢酔亭主人のオムライス食日記

夢酔亭主人のオムライス食日記

上野、浅草など下町中心にオムライスや美味しいランチの食日記。

好きな食べ物は?
 
そう訊かれると、いくつかの候補の中のひとつがお鮨。
 
しかし、若い頃は特別に好きという訳でもなかった。
 
そんな私を一変させてくれたのがこのお店。

 

最初にこの店のお寿司を食べたとき、まさに体中に衝撃が走ったほど。

 

  お店紹介

 
日本橋の「吉野鮨本店」さん。
 
明治13年創業の老舗で、江戸前鮨の発展に大きく貢献した名店。
 
鮨の文化が開花した江戸時代に「江戸三鮨」と呼ばれた名物があった。
 
毛抜鮓、松が鮨、与兵衛寿司だ。
 
吉野鮨の初代は、にぎり鮨を考案した与兵衛寿司の華屋与兵衛の弟子で、元祖の技を今に伝えている。
 
「江戸に生まれて 東京で育ち いまじゃ日本を にぎりずし 」

 

  お品書き

 
お昼の品書きは4種類。
 
「おきまり」はにぎりとちらしだけで、足りなければ「おこのみ」で追加すればいい。
 
1,980円は8貫、2,530円は9貫、3,080円は10貫、3,630円は11貫。
 
お好みで追加もしたいので10貫と赤だし。それに煮蛤と小肌を追加。
 
五代目の親方を中心に5人の職人がキビキビと仕事をしている。
 
きちんと袴を穿いて登場の桜正宗。
 
私は普段はウイスキーかスピリッツなど洋酒系が好みだが、料亭や鮨屋、蕎麦屋では清酒以外は飲まない。
 
お通しは煮いか。
 

  お鮨登場

 
●にぎり+赤だし(3,080円+330円)
 
下駄の上にはにぎり10貫と巻物。
 
それではいただきます割り箸
 
お椀は別料金で、なめこと豆腐の赤だし。
 
これだけでもこの店に通う価値がある。
 
酢と塩だけで作る目の覚めるような酸っぱさが魅力の酢生姜。
 
江戸の昔のにぎりずしが令和の時代にも生きている。
 
鮨は「種が四割、酢飯が六割」といわれるほど、種、酢飯、山葵のバランスが重要だが、酢と塩のみの酢飯は鮨本来の味を楽しませてくれる。
 
昔はアブと呼ばれていたこの部分に「トロ」って名前をつけたのはこのお店。
 
このあたりの詳しい事は、鮨の研究家として有名だった三代目の著書「鮓・鮨・すしーすしの辞典」に詳しく書かれている。
 
才巻きより一回り大きい車海老。

 

芝海老のすり身の自然な甘さが素晴らしい玉子焼き。
 
馬に乗る時に使う鞍に似ているので「鞍掛け」といわれる手法だ。
 
巻き物はいか、鉄火、かっぱ。
 
鮨は酢飯の上に切身の魚を乗せるだけのものではない。
 
なにせ冷蔵庫がない時代に誕生した料理だからね。
 
煮る、焼く、〆るなど、仕事をほどこすのが本当の江戸前のにぎり鮨。
 
その意味で、小肌、玉子焼き、穴子を食べてみるとその店の実力が分かるというが、この穴子だけでも違いが分かるというもの
 
おきまりを食べ終えて私の胃の中はにぎり2貫分の隙間がある。
 
おこのみで小肌と煮蛤のを注文。
 
●煮蛤+小肌(880円)
 
煮蛤と小肌は江戸時代の技術を今に伝える。
 
最後はアツアツのお茶。
 
「鮨は庶民の食べ物」の心を代々大切にしている吉野鮨さん。
 
伝統にこだわる老舗のお店だが、サンダル履きで行ける庶民的な雰囲気が魅力。
 

今日も美味しい食事をいただき感謝をこめて

「ごちそうさま!」

 

本日のお店動画コーナー 


 

 お店情報 ★★★

・吉野鮨本店
・東京都中央区日本橋3-8-11
・https://www.yoshinozushi.net/
・営業時間 11:00~14:00/16:30~21:30
・店休日 日、祝日