蕎麦の有名店が軒を連ねる神楽坂。
浅草あたりでは江戸や明治時代創業の老舗が多いが、神楽坂は新進気鋭の若い蕎麦職人が集まっている。
神楽坂で認められれば一流店の仲間入りということなのだろう。
目的のお店は誰も知らないような路地の奥にある。
「東白庵かりべ」さん。
いまや神楽坂でもトップクラスの評価を得ているお店だ。
蕎麦屋とは思えない西洋風のシックで重厚な内装。
仕事中でなければ美味しい蕎麦前が楽しめるだろう。
田舎せいろを注文。
温かい蕎麦茶とおしぼり。
主人は柏の名店「竹やぶ」の出身。
そばはまものです・・・とは奥が深い言葉だ。
●田舎せいろ(1,000円)
玄蕎麦の十割蕎麦。
それではいただきます
先付けのサービスは海老の頭を揚げたもの。
サクッと弾ける歯ごたえと海老の風味がいい。
これで清酒を飲んだら最高だろうね。
最初はつゆは浸けずにそのままズズズッ…
皮ごと引く玄蕎麦の魅力は『風味』
口の中いっぱいに爽やかな蕎麦の風味が通り抜ける。
江戸蕎麦はつゆは少な目でいい。
先の方を1/4ほど浸けて一気に啜りこむ。
最初に蕎麦の風味がふわっと広がり、時間差でつゆが追いかけてくる。
このつゆがとんでもない美味さ。
蕎麦も美味いけどこの店の魅力はつゆだと思う。
薬味はきりっと辛い大根と葱でわさびは使わない。
最後の楽しみは蕎麦湯。
先ほどつゆを絶賛したが、蕎麦湯にしてもそのうまさが際立つ。
若い頃ならかけそばを追加し「せいろ」と「かけ」の食べ比べをしただろうが、残念ながら今は2つはムリのようだ。
会計をするとお釣りはすべて切れるような新札。
浅草の名店では常識だったことだが、千代田区では初めての経験だった。
美味しい食事をいただき感謝をこめて
「ごちそうさま!」
【お店】 ★
・東白庵 かりべ
・東京都新宿区若宮町11-7
・http://touhakuan.jp/