環境が変わればいい仕事をする人っていますよね。
今まで全然パッとしないどころか、暗くて、どこかイジケでいて何の取り柄もなかったのだが、違う部署に移った途端水を得た魚のように頑張るなんて人もけして珍しくはない。
話は変わるが、大事なお客を自宅に迎えるとしましょう。
心を込めて美味しい料理を作ろうとしますね。
天ぷらが好きなお客様だったとしましょう。
主役の種は、海老、イカ、キスやメゴチ・・・あたりですかね。
まさか、竹輪の天ぷらなんて出す事はないですよね?
もちろん、他の天ぷらやおかずの一品として出す事はあっても、メインとして竹輪の天ぷらなんて恥ずかしくてお客様に出せるわけがない。
ましてや、お客様からお金を頂くお店では考えられない。
しかしね・・・
その考えられない事を堂々とする店がひとつだけある。
どこにあるかというと、「立ち食いそば屋」
訪問したのは東上野にある「みはち」さん。
昔は上野駅を始め主要駅には美味しい立ち食い蕎麦が沢山あったんだが、JR東日本が子会社を作って直接チェーン店化してからはヒドイもので、小松帯刀の子孫が営む品川駅の「常盤軒」などを除き、美味しい立ち食いそば文化は全滅しちゃった。
ここは駅から2分ほど歩くが、茹で蕎麦を使うお店と比べれば、生蕎麦を使用するなどクオリティは高い。
打ち合わせが長引いてピーク時間を外しゆっくり食事する時間がなかったので、立ち食いそばで済ませることにした。
ただ、立ち食いと言ってもホントに立って食べるわけじゃなく、ちゃんと椅子はあるしオシャレなカフェのような清潔感のある店内で居心地はいい。
サービスデーという事で、ちくわ天が350円。
玉子と、ミニカレーをつけて注文。
生蕎麦を使っているため茹で時間はかかるが、3分ほどで出てくる。
●ちくわ天そば+玉子+ミニカレー(350円+50円+200円)
一般の蕎麦屋では「ウチではそんなもの出しません!」と脇役どころか、ぜいぜいエキストラにもなれない扱いのちくわが、ここでは立派な主役。
「いよっ、成田屋!」
大向こうからそうな声がかかりそうなくらい堂々とした役者っぷり。
器はメラミン製の安っぽいものだが、これもちゃんとした陶磁器の器に変えるだけでも立ち食いそばのイメージはアップすると思うけどな?
それではいただきます
どこにでもある立ち食い蕎麦屋のカレー。
いろんな着色料が入ってそうな福神漬が旨い(笑)
七色は多めにパッパッパ・・・
丼からはみ出しそうというより、はみ出している豪快な1本丸ごと使ったちくわ天。
揚げ置きで、やや冷たくなりかけだが、立ち食い蕎麦屋で食べると許せちゃうというか、それが意外と美味しいんじゃないの?って思っちゃうから不思議。
ズズズ・・・
まあ、こんなものでしょう。
半分ほど食べ終えたところでお待ちかね。
さっきまで殻の中で安らぎの日々を過ごしていたのに、いきなり殻を割られ熱いつゆの中に落とされ、どうしていいか分らなくて小さくなっている玉子。
箸で突かれても成す術もなく、されるがままにプルプル揺れてとてもかわいい♪
それでも容赦なく参ります。
「秘技、玉子崩し」
蕎麦に絡まりあっという間に口の中に・・・
ちくわ天蕎麦とカレーという、立ち食いそば界のベストカップルの組み合わせ。
この日のヒーローちくわ天の蕎麦やカレーには悪いが、特に美味しいとも、又食べたいとも思わないところが立ち食いそばの魅力かな?(笑)
美味しい食事に感謝をこめて
「ごちそうさま!」
【お店】
・蕎麦屋みはち
・東京都台東区東上野3-19-1
・http://park3.wakwak.com/~mihachi2/
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