経絡シリーズ、今回は手の少陽三焦経です。
前回の心包経とは表裏の関係にあり、ともに実体のない臓腑です。
心包が心を守る重要な臓器であるのと同様、三焦も体全体の調整に欠かすことのできない存在です。
心包が心を包み、三焦は体の臓腑全体を包んでいます。
三焦経の巡行経路は
手の薬指から始まり、手の甲を通って手首の中央を上がり、肘頭に上がります。
上腕外側に沿って上がり肩関節の後ろよりを通って首の横を上がり、耳の周りを巻くように上がり、
耳の穴の前で折れて目の外側で終わります。
流注は
薬指の端から起こり、小指と薬指の間を上行し、手背に沿って、前腕の伸側で橈骨と尺骨の間に出、
肘頭に上がり、上腕外側に沿って肩に上がり、足の少陽経と交差して、その後ろに出て、鎖骨のくぼみに
入って胸の中央(膻中)に広がり、心包に絡まって散り、横隔膜を下がって、上焦、中焦、下焦と
順番につながって属す。
その分枝は、胸の中央から上行して鎖骨のくぼみに出て、後頸部を上がって、耳の後ろにつながり、
耳の上方に上がり、曲がって頬に下がり、目の下に至る。
その分枝は、耳の後ろから耳の中に入り、耳の前に出て、耳と頬骨の間を通って上の支脈と頬で交わり
目の外側に至り、足の少陽胆経とつながる。
このほか三焦は足の太陽膀胱経の委陽穴と脈気が通じている。
三焦経は手の陽経ですので、他の大腸経、小腸経と同様指先に始まり、頭部に至ります。
そして同様に昔は別の名前を持っていました。
大腸経が歯脈
小腸経が肩脈
そして、三焦経は耳脈と呼ばれていました。
一目瞭然ですよね。
そして同様に脚にも三焦の出張所にあたるツボ(足の太陽膀胱経の委陽穴)を持っています。
三焦は以前にも書きましたが、それぞれの場所は以下の通りです。
上焦 横隔膜より上の胸郭部分
中焦 横隔膜から臍まで
下焦 臍から下
今日はここまで