前回の 沖縄会場セミナー総括 では
国際沖縄空手道
無想会
の二段氏の指導が、
世界総本部道場
と、同等のレベルになっていると記しました。
じつは、この二段氏、初段はアメリカ・ユタ州で審査を受けた、いわゆる無想会三勇士の一人なのです。
アメリカで初段を取った後にも精進を続け、前回の日本セミナーで大阪で、二段の審査を受けて見事合格しています。
他に、前回の日本セミナーでは、三勇士の一人であるS隊長(ニックネームです)が、東京で三段に見事昇段しています。
この二段氏がアメリカ総本部で練習していた時は、ホントウに一日中と言って良いほどに徹底的に指導しました。
それこそ、朝から晩まで空手漬けの一週間だったはずです。足の裏がベロッ!っと剥けるのを覚悟して来てくれっと、事前に伝えてはいました。
さて、沖縄セミナー会場でこの二段氏に、もう一人の形の修正をお願いしました。
修正が必要だったのは、非常に才能に富む若い直弟子です。
運動神経に溢れ、かつ才気もあります。
そして、このような若い優れた人物にありがちの、速さ・早さがありますし、本人もそれを目指しているのが良く分かります。
そして、速さ・早さが、時に軽さにつながってしまう傾向もあります。これはもう、ショウガナイのです。
しかし武術において、速さ・早さだけあって重さがなければ、闘いに勝てません。
遅いのも・・・。そして軽いのも・・・。戦いにおいては、致命的な欠点になってしまうのです。
なお、この重さとは、体重の軽重などではありません。
これは、受講者・直弟子諸氏に分かって貰えるように、「星飛雄馬のボールの軽さは、彼が軽量だからでは無い!」っというような意味合いで説明しています。
だからと言って、大リーガー・ボールを伝授するわけでは無いのですが・・・。
武術として伝承された沖縄空手においては、この武術的な重さを形によって練り上げていきます。
でも・・・。
速さ、早さを犠牲にしてはなりません。
重いから速い・早いのだ!
と思えるほどにならなければ、形で修行する意味がありません。
この二段氏は、件の若い直弟子氏の形を徹底的に、指導・修正していました。
この彼の修正点においては、どこを、どうっと言った問題では無く・・・。単純に速さ・早さを犠牲にせずに、どこを修正すれば重さを得ることが出来るのかのみの指導です。
でも・・・。
これが、難しい!
しかし、それこそが二段氏がアメリカの本部道場で、徹底的に叩き込まれた概念と操作なのです。
若い直弟子氏は、それこそ道着から汗がしたたり落ちるほど・・・。そして荒い呼吸で胸の上下がはっきりわかるほどに、マンツーマンで指導を受けていました。
極論すれば、初めて形で修行することの困難さに直目したと思います。
しかし、残念ながら時間がまだまだ足りないのですが、少しは武術としての空手の形の厳しさを実感できたと思っています。
今後、この才能溢れた若者がいかに自分に対して厳しく向き合い、形で修行が出来ていくのかを、見極めていこうと思っています。
期待しています!