まず、日本縦断セミナーの総括として最終会場であった沖縄会場セミナーの事柄から記していきます。

 沖縄会場とは言っても、東京、大阪、広島からも参加した直弟子諸氏がおられ、かつ広島同好会の代表氏は、黒帯の審査も受けられました。

 さらには東京と沖縄、そして大阪と沖縄などと二か所のセミナーを受講した直弟子諸氏も居られます。

 さすがに今回は、三か所すべて受講という方は存在しませんでした。

 そのような受講者の前で、一応全力を出し切った心算ですが・・・。

 非常に印象に残ったのは、これで

国際沖縄空手道

無想会

のアメリカ・ユタ州のソルトレークシティーにある

世界総本部道場

と同等の指導が出来るようになったな!? っということです。

 セミナーでは、全体を少人数のグループに分けて指導しました。

 お陰様で、弊会も大分上級者も増えてきたので、このようにグループ別に分けてもOKです。

 特に東京会場セミナーにも参加された、二段の黒帯の形の指導が見事でした。

 じつは彼が指導した人物は、前回の昇級審査の際に形の上達の必要性が大で、そのために、この二段氏を充てたのでした。

 その人物の指導を任せたのですが・・・。

 そう簡単に短時間ですべてを修正することが出来るわけは無く、当然の如く悪戦苦闘だったと思います。

 限られた時間で、指導を受けている人物の、どこを・どう修正すれば良いのかを見極めるのが、まず大変です。

 さらには、指導している彼の背中には、わたくしの意地悪な眼が光っています。

 

 でも、その人物がこの二段氏のお陰で、それこそ短期間で見違えるほどに上達したのです。

 これは、意地悪な眼をしているわたくしの言い訳では無く・・・。

 もう、大部分の直弟子諸氏はその級や段の差の別なく、武術的身体操作において、身体的な可能性というもは・・・。

 全体像を把握すること、すなわち動作の概念さえキチンと理解すれば、身体がそのように動いてくれるのだ!

 っと言う、いわゆる、形の理念・概念の理解さえなし得れば、自分の身体自体は、武術的に形が使えるようになっているということです。

 

 わたくし、21回にもわたる日本縦断セミナーで

そこまでは伝授した心算です!

 

 っと、本ブログでは大見得を切ってはいますが・・・。

 じつは日本国内の直弟子と、世界総本部の直弟子とでは、形の使い方において、歴然とした差がありました。

 本部道場では、基本的にわたくしは週五回の成人部の、すべてのクラスで指導します。

 ですから年二回の指導だけを受ける、日本国内の直弟子諸氏とは、単純に時間のみを計算に入れてもゼンゼン違う、恵まれた環境に彼らは居ます。

 形を使うレベルにおいて、違いが生じるのは当たり前のことです。

 

 ただ面白いことに・・・。

 わたくしの記した「沖縄武道空手の極意」「沖縄空手道の真髄」などはすべて日本語で書かれており、DVDも日本語のみです。

 翻訳されたものもありますが、圧倒的に日本語で記されたものとは数が違います。

 さらには、武道の本場である日本の歴史的・文化的厚みというものは、もう比類無きものです。

 そのためにこの点においては、アメリカの直弟子たちは、日本国内の直弟子諸氏に対して、自らの理解度にやや不安がっている面もあるのです。

 まぁ~、日米相互に完璧な環境下には居ないというところが、わたくしが痛し痒しと感じるところでもあるのです。

 

 情報量の多さでは、アメリカ総本部を上回る日本の直弟子です。

 しかし、わたくし自身が直接指導するということは、わたくしの指導の拙さという面があるとしても、やはり違ってきます。正直に記して、前記したように本部の方が形に関しては一日以上の長があります。

 このような状態の中で日本国内において世界総本部道場と、同程度の指導が出来る環境作りが達成できるのか? という不安が常に心の中にありました。

 しかし、この二段氏が、わたくしの不安を払拭してくれました。

 

 短時間でここまで生徒を修正できるということは、もちろん生徒の努力もありますが、指導する二段氏が的確に修正をほどこすことが出来ているという、確かな証でもあります。

 

 セミナーの後の昇級審査で、この彼は前回とは見違えるほどの見事な形を披露していました。

 わたくしは、その彼の形を審査するときに、感慨にふけていました。

 二段氏に感謝です!