悲しいお産 | すみれときいろとフィリピン生活

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分娩室ではグノーのアヴェ・マリアが流れていて、なんだかもう天に召されそうな気分に…。
しばらくはこの曲を聴くと悲しい気持ちで溢れてしまうようになりました。
今まで気に留めたこともなかったけれど、意外といろんなところで流れてるんですよね。

陣痛の波は数分刻みに訪れました。
「来る、来る…」とジョーズか貞子でも来るかのように(古い)予告し横で手を握っている夫を怯えさせ、痛みの只中にあるときは声もなくその手を握り締め、波が去ったあとは「なんという…空前絶後の痛みだ…」と呟く。この繰り返しでした(^_^;)

当時の夫の証言
「人はこんなに眉間に皺を寄せることができるのかと思った」

声を出すと力が入るし疲弊するしでお産が進みづらいと助産師さんが言ってましたが、声を出さずともそれだけ顔に力入ってたら同じことかとかもしれません…。

途中「寒い」と呟きながら気を失ったときには、妻は死ぬのかと肝を冷やしたそうで、夫にとっても恐怖体験だったようです。
輸血を迷うほど、出血も酷かったと後から聞きました。
人間血がなくなると寒くなるんですね。

その頃にはもうひたすら「早くここから解放されたい」という思いしかありませんでした。

通常のお産なら、この苦しみの先に大きな喜びが待っている、だから頑張れるかもしれない。
でも、私に待っているのは悲しい結末。頑張る気力もなく、ただただ、終わって、と願うばかりでした。