アレロケミカル最前線! | ミニ地球世界のプチ神様を目指して

ミニ地球世界のプチ神様を目指して

密閉水槽という閉鎖空間での実験。初めての方は、テーマから「バイオキューブ」の記事をご覧下さい。
40過ぎのキモカワ系男子・虫歯天使が前人未到の領域に挑戦する。→ In English
https://ameblo.jp/msibatennsi

おはよーございます!


雨にも負けず、風にも負けず、

朝はセブンイレブンのカレーパンを食べ、

夜はココイチでグランドマザーカレーを食べて限定スプーンのくじを引き、

酒を飲んだ量ではロシア人にも負けず、カレーを食った量ではインド人にもスリランカ人にも負けない、そういうふものに私はなりたい、虫歯天使でございます!


【長え!これまでのあらすじ】

①梅酒ビンなどでエビが主役のミニ地球をつくっていた時代、私は、「すべてのミニ地球には寿命があるらしい」ことを認めざるを得ませんでした。8リットル梅酒ビンだと、およそ3年です。

②ミニ地球の寿命とは、エビも貝も世代交代しつつも、だんだん勢力というか個体数を減らして最後は絶滅してしまうのですが、顕著な現象として、水草の方が、多種類からスタートしても数ヶ月で1、2種類になってしまうことがほとんどでした。

③180mlのウィスキーの小瓶でおよそ一年半にわたってエビを生かすことができたのですが、そのエビが死んだ後、4ヶ月経ってもエビの死骸が原型を留めていました。

④よって、ミニ地球の寿命が尽きるときというのは、エビの死骸を分解するような微生物も、かなり絶滅してしまっているのではないかと思われました。私はミニ地球の寿命が尽きるまでの、少しずつ種数が減って絶滅が進んでいく現象を「ターミナル現象」と名付けました。

⑤一方で、球体の水槽にホロホロシュリンプとかいうエビが入っている、ミニ地球業界では有名な商品「ビーチワールド」では、10年を越えてエビが世代交代して生き残っているという報告がネット上に多くあり、「ターミナル現象」はそこでは起こっていないように思えました。

⑥私が数多くつくったミニ地球と「ビーチワールド」は異なる点が多いのですが、私は「ビーチワールド」では植物の種類が最初から少数(1種類?)であることに着目しました。そこで私が思いついたのが、「アレロケミカル仮説」です。

⑦「アレロケミカル仮説」とは端的に言えば、水草が他の水草の成長を抑制するためにアレロケミカルを放出し、それが水草種数を急激に減らし、最終的にはエビなどにも有害な濃度に達して、ミニ地球を滅ぼすという仮説です。「ビーチワールド」に入っている成長の遅い植物はアレロケミカルを出さないものである可能性があり、出したとしても他の植物との競合がないので量は少ないと考えられます。一方で、私が多用してきたオオカナダモは、アレロケミカルを出す水草だということが判明しています。ちなみに、植物がアレロケミカルを出して他の植物に影響を及ぼすことをアレロパシー(多感作用)と言います。


【比較的、最近になって分かったこと】

①ミニ地球の寿命は、単純に容器のサイズに大体比例するが、よくよく考えてみると、水草の密度が一定ならばアレロケミカルの密度も同じになる筈であり、容器を大きくすると長持ちするのは不自然である。

②ミニ地球にあえて直射日光を当てて、空調で一定の温度に保つようにしたのは、今回の「バイオキューブ」が始めて。「直射日光」と「冬がない」というのはかなり大きなファクターに思われ、過去のミニ地球との単純な比較はできない。


では、ここから、本職の方々のアレロパシー研究を紹介していきます。いや、要約しか読んでないんですけど。こちらは、オオカナダモが藍藻の一種の抑制するのを確かめた研究です。1994年の研究なので、もっと進んだ研究が見つかるかもしれませんが。この研究ではオオカナダモのアレロケミカルが易分解性の物質らしいとなっています。


こちらは2012年。約660種の植物を調査し、新たに18種のアレロケミカルを同定したとのこと。アレロケミカルの同定がいかに難しいかが伝わってきます。


こちらはまだ最終報告の出ていない最新の研究。ローズマリーの主要なアレロケミカルであるカルノシン酸が、土壌微生物によって代謝されることを示しています。


こちらはアゾラのアレロパシーによってオオカナダモが抑制されるという話。なんと高校生による研究のようだ。2011年。

https://ous.repo.nii.ac.jp/record/3393/files/Naturalistae15-49-55.pdf


色々と検索した結果を紹介してみたが、おそらく、

◯アレロパシーの研究はまだまだ進んでいない

◯水草のアレロパシーとなるとなおさら

◯ましてやそれが原生生物や魚、エビなどにどう影響するのかという研究となると、なおさらのなおさら。

と、いうのが、現在のところの私の理解です。

どなたか、お詳しい方がいらっしゃいましたら、アドバイスや誤解の訂正など、お待ちしております!


1トン級ミニ地球「バイオキューブ」の、

観察•考察シリーズ! 前回はこちら!


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という方は、以下の記事からどうじょ!


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