実際にはキーボードをこれでもか!!って叩いてる。
大学時代にSUPER GIRLをラジオで聞いて体中に初恋みたいな電流が走ってから、何年経っただろう?
まさか復活するなんて思ってなかったし、ライブに三回も(今度また行きます)行けるだなんて思ってなかったし、大好きなアニメの主題歌を岡村ちゃんがするだなんて思わなかったし、まさかまさか新しいアルバムを聞けるだなんて思ってなかった。
未来はいつも予想外で、生きてるだけで色んな事が起きる。SMAPが終わり、ガリレオガリレイも終わるけど、イエモンは再開するんだぜ。どぉなっちゃってんだよ最近??
何より一番びっくりしたのは、まさかまさかまさか11年半振りのアルバムが全9曲で、新曲は3曲のみって話だったけど・・・でも、もうそんなのどうでも良くなるくらいかっこいい。かっこいいんだよ。最新型のベッドなんだよ。
そもそもセルフカバー作『エチケット』から岡村ちゃんの音は彼の持ち味を殺さずに、ものすごく現代的に、しかもエグい所にいやらしく食い込む、死ぬほど官能的な物になったと僕は考えている。以前が古臭かったという意味ではないが、その傾向は復活以降にリリースされたシングルでさらに強くなり、こうやって並べて聞いてみると恐ろしく快楽的なグルーヴだったんだなと気付かされる。
上辺だけではない踊れる楽曲をデビュー当時からずっと作ってたけど、その進化は留まるところを知らないようだ。新曲三曲ともすげぇかっこいい。
今作はシングルの寄せ集め的で、ベスト盤のようなものだけど、こういう作風は彼の中では久々な気がする。過去の作品で言えば、例えば靖幸のような感触をブラッシュアップした雰囲気だ。
保健の教科書を捨てて、君へと走りだす岡村靖幸。そして君から借りた保健の教科書を舐め回すように読みながら、マスターベーションをキメた挙句、そいつを破り捨てる岡村靖幸。それをメジャー処にがっちりハマるポピュラリティで両方共楽しむことができる貴重な一枚だと僕は思う。それでもドン引きされるであろうことを覚悟で、是非ビバナミダで知った人あたりに聞いて欲しい。
「これが俺の大好きな岡村靖幸って男なんだよ」と胸を張って言える痛快な作品。
もっと新曲入れて欲しかったし、言いたいことはたくさんあるし、絶対に、絶対に彼の罪は許されず、残り続け、いつまでも色んな事を言われる。
でもこの全曲聞いた後の気持ちよさ、幸福感は他の歌手ではなかなか得られない。僕は音楽という名の幸福に逆らえない。何よりそれに一番、逆らえなかったのは岡村靖幸本人だろう。だから何度失敗しても、戻ってきた。そして幸福な景色をまた見せてくれた。音楽は依存症なんだ。
どんな過去があっても、岡村靖幸にも、僕にも、君にも、幸せになる権利があって、音楽は音楽として存在し続けてくれる。だから音楽は最高なんでしょ?僕は今日、最高に幸せな気分だよ。
こんなコストパフォーマンスの悪いアルバムを喜んで買ってるファンがいる限り、CDの時代は終わらないだろう。わかってる。わかってるのにもう全然冷静になれない。3300円安い!!
本当に本当にちゃんと生き延びて、音楽を仕事にすることをまた選んでくれて、まだまだこんなにかっこいい曲を作り続けてくれてありがとう。おかえり、岡村ちゃん。
幸福/SPACE SHOWER MUSIC
